2010年度 工学部 光応用工学科 昼間コース — [必修] 1年(前期)

健康教育特別講義

Special Lectures on Technology and Health

非常勤講師・荒木 秀夫, 非常勤講師・小原 繁

2単位

目的

エンジニアとして必要な身体に関する知識を習得し,また自身の健康保持,疾病予防の方法に関することを学び,生涯において健康維持増進を実践できるようにする.

概要

生活習慣病について学び,それに関連の深い呼吸循環系や代謝系機能の運動による改善を中心に健康増進に関する知識と実践的な方法やエネルギー消費と摂取に係わる栄養の話や免疫に関することを学ぶ(小原担当)骨格筋の運動あるいは運動不足に対する適応について学ぶ(的場担当).薬物の脳への影響や脳とからだやこころの関係について学ぶ(荒木担当).

要件

特になし.

注意

配付資料と講義ノートとの関係を整理して,復習をしっかりおこなうこと.

目標

1.生活習慣病とは何か,その原因を理解し,予防ついて理解する.
2.運動による身体の反応を理解し,疾病予防のための運動の方法を理解する.
3.筋肉の働きと健康の保持・増進との関連を理解する.
4.麻薬・薬という化学物質が身体にどのような影響を及ぼすのか理解する.
5.脳の働きを理解し,心身の相互関係を理解する.
6.各栄養素の体内における役割と疾病予防に対するに正しい食生活の在り方について理解する.
7.健康度評価に関係する身体機能計測の工学的手法を理解する.

計画

1.生活習慣病の中で,心臓血管系の病気である虚血性心疾患と高血圧症につて生活習慣がどのように関連しているかを学び,その予防法を実施できるようにする.
2.生活習慣病の中で,代謝関連の病気である糖尿病について生活習慣がどのように関連しているかを学び,その予防法を実施できるようにする.
3.食事や身体活動時のホルモンの働きとして,血糖値の維持機構や脂肪代謝促進機構にどのように関係しているかを学び,そこから代謝関連の疾病の予防に役立てる方法を理解する.
4.生活習慣病の予防のための運動について,運動の「強さ」,「時間」,「頻度」の意義について学び,競技スポーツとの違いを認識した上で,健康につながる運動のあり方を理解する.
5.生活習慣病の予防方法の具体例として,心臓血管系の病気の予防のための運動のあり方(運動種目の特性,強度,時間)を理解する.
6.生活習慣病の予防方法の具体例として,代謝系の病気の予防のための運動のあり方(運動種目の特性,強度,時間)を理解する.
7.身体の機能を測定する装置についての身体の基本的事項(血液成分,生体電気現象,血液循環,体温など)をどのように測定しているかを学び,測定結果の理解と機器開発の応用への導入として役立てる.
8.3大栄養素(炭水化物,脂肪,タンパク質)が食事から摂取後,どのように消化吸収されて,身体でどのような役割をしているかを学ぶことにより,健康づくりのうえで日常の食生活に役立てられるようにする.
9.ビタミンとミネラルの体内における働きや欠乏時の疾患などについて学ぶことにより,微量栄養素の重要性を理解し,正しい食生活の実施に役立てられるようにする.
10.免疫の仕組みや栄養と免疫との関係について学ぶことにより,日常生活を通じての健康づくりを図る.
11.身体機能を測定評価するために測定装置が必要である.現在,これらの装置としてどのようなものがあるかを紹介し,またどのような改善を要求されているかを解説し,エンジニアリングとの関係を学ぶ.以上11回 小原担当
12.筋肉の構造を中心にからだの成り立ちをまなび,自分のからだの構造を理解する.
13.不活動(無重力状態)による筋肉の萎縮と身体機能低下(筋肉を使用しないことが身体にどのような影響を及ぼすかを理解し,健康に必要な筋肉量・筋力の維持に努力する姿勢を養う.以上2回 的場担当
14.薬物の神経系への作用を学び,薬物の乱用の弊害を避け健康な生活が営める方法を理解する.
15.脳・からだ・こころの関連を学び,こころの問題がどのように身体に影響しているかを理解する.以上2回(10ー11)荒木担当
16.試験

評価

3名の教官が分担して行うので,3つの分野に分けて試験を行う.1つの分野でも50%以下の成績が会った場合には不合格とし,全体としては60%以上を合格とする.

JABEE合格

単位合格をもってJABEE合格とする.

JABEE関連

光応用工学科の教育目標Dに該当する.

教科書

教科書は使用しないが,授業時に資料を配付する.

参考資料

からだの仕組みと働き(中野昭一編集,医歯薬出版)入門運動生理学(勝田 茂 編著,杏林書院)

連絡先

授業全体に関することは,小原 繁(obara@ias.tokushima-u.ac.jp :総合科学部)まで.
荒木 秀夫(araki@ias.tokushima-u.ac.jp :総合科学部)

備考

特になし.