2010年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択] 4年(前期)

高電圧工学

High Voltage Engineering

准教授・下村 直行

2単位

目的

電力分野にとどまらず,幅広い分野で不可欠な高電圧工学の基礎的知識を修得する.高電圧技術の利用·応用を学ぶ.

概要

高電圧や大電流の現象は,低電圧·小電流の現象からは類推できないような場合が多く,電圧や電流の増加によって非線形に変化する現象を取り扱うところに,この科目の意義がある.電力需要の増加だけでなくさまざまな応用分野で高電圧工学に対する要求が高まっており,高電圧大電流の発生,計測を述べる.応用についてはパルスパワー技術を中心に最近の高電圧·大電流応用等も紹介したい.

キーワード

高電圧,大電流,電力機器,パルスパワー

要件

特に定めないが,電気回路,電気磁気学を始めとするさまざまな科目の知識を必要とする.

注意

中盤以降では,パルスパワーに関する最新の研究を紹介発表してもらう.この発表は成績評価に含まれるので,その要領を説明する初回の講義は必ず出席すること.

目標

1.高電圧·大電流現象の基礎現象を理解する.
2.高電圧·大電流の発生方法を理解する.
3.高電圧·大電流の計測方法,試験法を理解する.
4.電力応用,高電圧パルスパワー,その他高電圧·大電流の利用応用を知る

計画

1.高電圧工学の意義と学び方(高電圧と安全)
2.高電圧·大電流に関連する物理現象(静電界とその計算)
3.高電圧·大電流に関連する物理現象(荷電粒子の振る舞い)
4.高電圧·大電流に関連する物理現象(気体の放電現象)
5.高電圧·大電流に関連する物理現象(気体の絶縁破壊)
6.高電圧·大電流に関連する物理現象(絶縁物の特性)
7.高電圧·大電流に関連する物理現象(その他)
8.前半講義のまとめと確認テスト
9.高電圧の発生方法
10.大電流の発生方法
11.高電圧・大電流の発生方法(パルス)
12.高電圧の測定
13.大電流の測定
14.高電圧応用(電力機器)
15.高電圧応用(パルスパワー応用,電気集じん器等)
16.期末試験

評価

到達目標が達成されているかを試験80%(確認テスト40%,期末試験40%),平常点(ミニテスト,レポート等)20%で評価し,全体で60%以上で合格とする.

JABEE関連

(D)専門基礎30%,(E)専門分野(電気エネルギー)70%

対象学生

他学科学生も履修可能

教科書

秋山秀典編著「高電圧パルスパワー工学」オーム社

参考資料

宅間薫·柳父悟著「電気学会大学講座 高電圧大電流工学」電気学会

原雅則·秋山秀典著「高電圧パルスパワー工学」森北出版

連絡先

下村(E棟2階北 B-8, 088-656-7463, simomura@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月) 16:00 - 19:00 ※掲示板で確認されたい.