コンクリート診断技術
Diagnosis Technology of Concrete Structures
教授・上田 隆雄
2単位
目的
コンクリート診断士試験レベルを想定して,コンクリート構造物を適切に維持管理するために必要な診断技術に関する基礎的知識を身につけ,建設工学の専門応用科目群の1分野である鉄筋コンクリート工学に関連する実務問題に正しく適用できる能力を養う.
概要
本講は,様々な原因によって劣化したコンクリート構造物を適切に診断する能力の養成を目的として次の2つの柱によって構成される.(1)劣化メカニズムと劣化予測(3∼5回)では,主要な劣化メカニズムの概要と,各メカニズムでの劣化予測手法について講義する.(2)点検·評価手法,補修·補強技術(7∼10回)では,種々の劣化変状に対応した,点検·評価手法と,その結果に基づく適切な補修·補強技術切について解説する.13回および14回は,以上の知識を用いた実構造物の診断例を紹介する.
キーワード
劣化メカニズム,補修·補強,ライフサイクルデザイン
先行科目
要件
「コンクリート基礎技術」の修得を受講要件とする.
注意
なし
目標
1. | コンクリート構造物の主要な劣化メカニズムと,劣化予測手法を理解する. |
2. | コンクリート構造物の点検·評価手法と,補修·補強技術の基礎を理解する. |
計画
1. | ガイダンス:コンクリート構造物診断技術の必要性 |
2. | 維持管理システムについて:概説 |
3. | 劣化メカニズムと劣化予測(1):塩害と中性化 |
4. | 劣化メカニズムと劣化予測(2):アルカリ骨材反応 |
5. | 劣化メカニズムと劣化予測(3):凍害,疲労,その他 |
6. | 中間テスト1(到達目標1) |
7. | 点検·評価手法(1):非破壊検査手法 |
8. | 点検·評価手法(2):化学分析等 |
9. | 補修·補強技術(1):補修工法および材料 |
10. | 補修·補強技術(2):補強工法および材料 |
11. | 中間テスト2(到達目標2) |
12. | ライフサイクルマネジメント |
13. | 実構造物の診断例(1) |
14. | 実構造物の診断例(2) |
15. | 実構造物の診断例(3) |
16. | 期末テスト(到達目標1と2) |
評価
到達目標1の達成度を,中間テスト1と期末テストの割合を1:1として算出される評点により評価し,評点≧60%を当目標のクリア条件とする.到達目標2の達成度を,中間テスト2と期末テストの割合を1:1として算出される評点により評価し,評点≧60%を当目標のクリア条件とする.すべての到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と2の評点の重みをそれぞれ50%と50%として算出する.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
講義時にプリントを配布する.
参考資料
土木学会編「コンクリート標準示方書(維持管理編)」
土木学会メインテナンス工学連合小委員会編「社会基盤メインテナンス工学」東京大学出版会
日本コンクリート工学協会編「コンクリート診断技術」
連絡先
- オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること
備考
昼間コース学生のJABEE合格は【成績評価】と同一である.