2010年度 工学部 知能情報工学科 昼間コース — [選択] 4年(前期)

生体情報工学

Biological and Medical Engineering

准教授・最上 義夫, 教授・藤澤 正一郎, 講師・佐藤 克也, 助教・伊藤 伸一

2単位

目的

生体医用工学と知能情報工学との関連と類似性および人工的知能へのアプローチを講述する.

概要

人の運動機能や運動制御,生体医用工学および細胞工学の概説を行う.その中で,筋骨格系の運動学や人体モデル,細胞内情報伝達機構,ならびに,脳の構造と情報処理メカニズムおよび脳活動計測法について講義する.さらに,ニューラルネットワークとその応用および自律知能・生物群知能について講義する.

キーワード

運動機能,人体計測,脳,脳波,再生医療,細胞内情報伝達,ニューロン,ニューラルネットワーク,自律知能,生物群知能

要件

人工知能や機械学習の基礎知識を習得していることが望ましい.

注意

適宜演習を課すので,すべての演習のレポートを必ず提出すること.

目標

1.授業計画1∼4においては,学際的バイオメカニズムについての概説を行う.人の運動学や運動制御,人体計測や歩行分析,筋骨格系モデルや人体計測についての解説を行う.授業計画5∼8においては,生体医用工学の中でも再生医療における工学技術の貢献,および細胞制御のための細胞内情報伝達系について理解し,医工融合領域研究の現状に触れる.授業計画9,10においては,主に人間の脳の情報処理メカニズムと脳活動計測法の習得とその応用事例を概観することで,人間中心設計のシステム構築に対する問題解決力を養う.授業計画11∼15においては,生体・生物の情報処理を模倣した手法の習得とその各種問題への適用例とから,視野の広い問題解決力を獲得する.

計画

1.運動学と運動制御
2.人体計測学と歩行分析
3.筋肉の構造と運動学的筋電位
4.福祉と情報処理
5.再生医療技術の概説および工学との関わりについて
6.力学刺激情報が生体組織へ及ぼす影響の概説
7.細胞レベルにおける力学刺激情報の受容機構について
8.細胞力覚機構解明を目指した実験的取り組みの紹介
9.脳の神経細胞の構造と動作
10.脳波(EEG)および脳波の計測
11.ニューロンとニューラルネットワーク
12.階層型ニューラルネットワークと学習アルゴリズム
13.階層型ニューラルネットワークの各種問題への適用
14.多様な自律知能行動体
15.生物群知能
16.まとめ

評価

講義中に課す演習のレポートの提出状況およびその内容と講義への参加状況とを9:1の割合で評価したものを成績とする.

JABEE合格

JABEE取得には関係ありません.

JABEE関連

JABEE取得には無関係です.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

講義資料は,Web 上で閲覧できるようにする.閲覧の方法は,授業開始時に指示する.

参考資料

福島邦彦「神経回路と情報処理」

樋渡涓二「生体情報工学」

連絡先

最上(D102, 088-656-7505, moga@is.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 15:00∼18:00 (年度ごとに学科の掲示を参照すること)