2010年度 工学部 生物工学科 昼間コース — [必修] 3年(前期)

生物工学演習5

Exercise of Biological Science and Technology 5

教授・松木 均, 講師・玉井 伸岳

1単位

目的

生命現象に関する研究を行う上で物理化学は常にその基礎となる.物理化学および生物物理化学の演習問題を通して,生命科学における様々な巨視的現象を物理化学観点から理解し,重要な物理法則を使いこなす能力を培うことを目標とする.

概要

物理化学関連の講義に相応する問題を演習し,内容を解説する.物質の巨視的な性質を記述する厳密な理論体系である化学熱力学に関係する種々の問題を数学的手段をもって解き,基本的事項·法則の理解を深める.さらに講義の進行に併せて,反応速度論,電気化学の演習も行う.

キーワード

熱力学,相平衡,溶液化学,界面化学

要件

物理化学1,2を受講していることが望ましい.

注意

教科書,物理化学関連の講義ノート,対数,指数計算の可能な関数キー付き電卓を準備しておくこと.化学熱力学の理解をさらに深めるために,統計力学の講義を受講しておくことを勧める.

目標

1.化学熱力学関係式の意味を理解し,正しく記述する.
2.相平衡で成立する関係式を導出し,物理化学現象に適用できるようにする.
3.反応速度論,電気化学の物理化学関係式を習熟する.

計画

1.イントロダクション:化学熱力学を学ぶにあたっての準備,小テスト1(到達目標1の一部評価)
2.化学熱力学関係式1:熱力学第一法則(内部エネルギーとエンタルピー),小テスト2(到達目標1の一部評価)
3.化学熱力学関係式2:熱力学第二法則(エントロピー),小テスト3(到達目標1の一部評価)
4.化学熱力学関係式3:自由エネルギー(Helmholtz関数とGibbs関数),小テスト4(到達目標1の一部評価)
5.相平衡1:化学ポテンシャルと状態変化(相図),混合の熱力学,小テスト5(到達目標1,2の一部評価)
6.相平衡2:溶液の性質(相図および束一的性質),小テスト6(到達目標1,2の一部評価)
7.化学平衡(反応),反応速度論,電気化学,小テスト7(到達目標1,3の一部評価)
8.気体分子運動論:微視的性質と巨視的性質(到達目標1, 3の一部評価)

評価

出席率80%以上で,到達目標3項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.達成度は小テスト(90%),授業中の演習問題への取り組み(10%)で評価する(出席点は加えない).

JABEE合格

出席率80%以上で,到達目標3項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.達成度は小テスト(90%),授業中の演習問題への取り組み(10%)で評価する(出席点は加えない).

JABEE関連

本学科教育目標(C),(D)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

P. W. Atkins著(千原秀昭・中村亘男訳)「アトキンス物理化学(上)0 ~ 10章,(下)23章」東京化学同人

参考資料

R. A. アルバーティ著/妹尾 学·黒田晴雄訳「物理化学第7版(上) ,(下)」東京化学同人

D.エベレット著(玉虫伶太·佐藤弦訳)「入門化学熱力学第2版」東京化学同人

I. Levine「Physical Chemistry」4th Ed., Mac Grow Hillなど

連絡先

玉井(化学·生物棟609号室, 088-656-7520, tamai@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日 16:20-17:50

備考

原則として再試験は実施しない.