2010年度 工学部 光応用工学科 昼間コース — [選択(A)] 1年(後期)

分子工学

Molecular Engineering

講師・手塚 美彦

2単位

目的

物質を構成する最小単位である原子及び分子の構造について学び,材料をミクロの視点から見る目を養う. 光と分子とのかかわりやスペクトルに関する知識を養う. 材料の合成や分解に関与する化学反応の速度について学ぶ. 身の回りにある有機化合物に対する基礎的な知識を身につける.

概要

前半は,原子及び分子の構造と電子のエネルギー準位について解説する. 後半は,化学反応の機構と速度について,また一般的な有機化合物の構造と性質について解説する.

要件

なし

目標

1.物質の存在状態をそれを構成する分子の構造から予測できる.各原子の性質の違いを電子状態を用いて説明できる.化学結合の種類を挙げ,それぞれの特徴が説明できる.分子の電子状態から分子構造が予測できる.原子や分子と光との相互作用をエネルギー準位を用いて説明できる.分子の極性と分子間の相互作用を説明できる.反応速度,速度定数,反応次数,活性化エネルギーの意味を理解し,実際の単純な反応に応用できる.簡単な構造の有機化合物が命名できる.有機分子の立体構造と光学活性との関係について説明できる.

計画

1.エネルギーと量子論
2.量子力学の完成まで
3.箱の中の粒子のエネルギー
4.水素原子の電子状態とエネルギー
5.原子の電子配置
6.二原子分子の結合
7.分子の構造
8.中間試験
9.炭素-炭素結合
10.π電子近似
11.分子間結合
12.金属と半導体
13.有機化合物の構造と種類
14.有機化合物の反応
15.有機化合物の立体構造とキラリティー
16.期末試験

評価

授業の到達目標が達成され,原子·分子の世界の概念が理解できているかを評価する.配点は中間試験40%,期末試験40%,講義への取り組み状況20%とし,全体で60%以上を合格とする.

JABEE合格

単位合格と同一とする.

JABEE関連

B

教科書

基礎物理化学Ⅰ 山内 淳 著 (サイエンス社)

ベーシック有機化学 山口良平・山本行男・田村 類 共著 (化学同人)

参考資料

1)アトキンス「物理化学(上·下)」東京化学同人

連絡先

307号室 TEL:088-656-9423,E-mail: ytezuka@opt.tokushima-u.ac.jp

備考

毎回,講義の要点を記したプリントを配布するので,板書を書き写す際の手助けにして欲しい.板書だけにとらわれず,内容の説明について来るよう心がけること.