2010年度 工学部 生物工学科 昼間コース — [必修] 1年(後期)

有機化学2

Organic Chemistry 2

准教授・宇都 義浩

2単位

目的

有機化学とは,有機化合物すなわち炭素化合物に関する学問であり,物理学とともに生物を理解する上で必須な学問である.なぜなら,膨大な化学反応の積み重ねの基に生命の営みがあり,有機化合物の分子構造の理解と化学反応の原理の修得が生命機能を解明するために必要であるからである.よって,本科目では有機化学1に引き続き,有機化合物,特にカルボニル化合物の構造と反応性を修得することを目的とする.

概要

ヘテロ原子を有する有機化合物であるアルコール・エーテル・カルボニル化合物・アミンの構造,性質および反応性について講義する.

キーワード

アルコール,エーテル,カルボニル化合物,アミン,有機反応論

先行科目

有機化学1

要件

有機化学1を履修していること.

注意

有機化学を学ぶためには,できるだけ多くの反応機構を記述して覚えることと分子模型を使って立体的に考えることが不可欠である.このため,分子模型も毎回用意してくること.また予習・復習を行うこと.

目標

1.アルコールやエーテルの構造および反応を正しく記述できる.
2.カルボニル化合物の構造および反応を正しく記述できる.
3.アミンの構造および反応を正しく記述できる.

計画

1.有機化学1の復習
2.アルコールの性質と反応(教科書p.239∼254)
3.フェノール,エーテル,エポキシドの反応(教科書p.254∼262)
4.第8章の復習,中間試験1(到達目標1の一部評価)
5.アルデヒドとケトンの求核付加反応(教科書p.272∼285)
6.アセタール,イミン,Grignard,Wittig,共役付加反応(教科書p.285∼297)
7.カルボン酸の構造と性質,求核アシル置換反応(教科書p.308∼322)
8.カルボン酸,酸ハロゲン化物,酸無水物の化学(教科書p.322∼329)
9.エステル,アミド,ニトリルの化学(教科書p.329∼341)
10.ケト‐エノール互変異性,エノラートイオン(教科書p.356∼369)
11.カルボニル縮合反応(教科書p.369∼378)
12.第9-11章の復習,中間試験2(到達目標2の一部評価)
13.アミンの構造・性質・合成(教科書p.389∼401)
14.アミンの反応,複素環アミン,アルカロイド(教科書p.401∼408)
15.第12章の復習,中間試験3(到達目標3の一部評価)
16.期末試験(到達目標全ての一部評価)

評価

到達目標3項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.到達度は目標1が中間試験1(30%)及び期末試験(70%)で,目標2が中間試験2(30%)及び期末試験(70%)で,目標3が中間試験3(30%)及び期末試験(70%)で評価する(出席点は加えない).中間試験1(20%)+中間試験2(20%)+中間試験3(20%)+期末試験(40%)で最終評価とする.ただし出席率80%以上(12回以上の出席)を期末試験の受験資格とする.

JABEE合格

成績評価と同じ.

JABEE関連

本学科教育目標(C),(D)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

J. McMurry 著「マクマリー有機化学概説 第6版」東京化学同人

分子模型「HGS Biochemistry Molecular Model, Student Kit」丸善

参考資料

J. McMurry 著「マクマリー有機化学(中) 第7版」東京化学同人

橋本,村上,加納著「基礎有機反応論」三共出版

太田,西山著「ビギナーのための有機合成反応」三共出版

連絡先

宇都(M棟820, 088-656-7522, uto@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜日 16:20-17:50

備考

原則として再試験は実施しない.