2010年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [必修] 2年(前期)

量子力学

Quantum Mechanics

非常勤講師・大野 隆

2単位

目的

原子分子のミクロな世界の基本法則である量子力学の基礎を修得させる.

概要

講義計画に示した項目に従い,前期量子論より始めて,シュレディンガーの波動方程式を導く.簡単な例として箱の中の自由粒子,調和振動子を取り上げ,波動関数とエネルギー固有値の意味を解説する.さらに,水素原子の場合について説明し,原子構造,周期律との関連に触れる.

キーワード

シュレディンガー方程式,波動関数とエネルギー固有値,箱の中の自由粒子,調和振動子,水素原子

目標

1.電子や光がもつ粒子性と波動性を理解する.
2.シュレディンガー方程式と波動関数の意味を理解する.
3.簡単な系のシュレーディンガー方程式を解き,波動関数とエネルギー固有値を求めることができる.
4.水素原子の場合の波動関数とエネルギー固有値の意味を理解する.

計画

1.量子論のはじまり
2.光電効果とコンプトン効果
3.物質波,ボーアの量子論
4.不確定性原理
5.シュレーディンガー方程式
6.定常状態の波動関数とエネルギー固有値
7.物理量と演算子,期待値
8.箱の中の自由粒子
9.調和振動子
10.中心力場内の粒子
11.角運動量,球関数
12.水素原子(1)
13.水素原子(2)
14.原子構造と元素の周期律
15.予備日
16.期末試験

評価

単位の取得:試験70%(期末試験),平常点30%(授業への取組み)として評価し,全体で60%以上で合格とする.

JABEE関連

本学科教育目標(A: ○),(B: ◎)に対応する

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

小出昭一郎「量子論」裳華房

参考資料

中嶋貞雄「量子力学I」(物理入門コース)岩波書店

中嶋貞雄「量子力学II」(物理入門コース)岩波書店

連絡先

大野(A棟201, 088-656-7549, )

備考

微分および積分の基礎的知識を前提とする.