科学技術論
Science and Technology Studies
形態
講義
目的
受講者には,科学技術論の概要と現代社会におけるその機能について,必要な知識を学ぶことが期待される.
概要
科学技術論は,科学技術に関する研究活動と成果について,社会科学や人文学の多様な領域の知識を用いて行う研究である.科学技術の社会的重要性が明らかになった1930年代に新たな学問分野として登場し,とくに1970年代以降,国の政策,企業経営,市民生活など多くの分野に影響を与えている. この講義の前半では,科学の哲学的分析,科学技術史研究,科学技術の社会学科学技術と経済などの概要を与える.後半では,主として1970年代以降の具体的な事例によって,科学技術論の役割を示す.
目標
1. | 科学技術論の内容の理解 |
2. | 学生たち自身の研究の社会的意味の理解 |
計画
1. | 序論:1930年代以降の科学技術論の発展略史 |
2. | 科学の哲学的分析:(1)西欧古典学からドイツ古典哲学まで |
3. | 科学の哲学的分析:(2)20世紀の科学哲学の発展 |
4. | 科学技術の歴史的研究:(1)西欧近代科学の形成 |
5. | 科学技術の歴史的研究:(2)中世動力革命と近代産業革命 |
6. | 科学技術の社会学:(1)科学の規範的構造とパラダイム論 |
7. | 科学技術の社会学:(2)社会的構成主義とラボラトリー・ライフ分析 |
8. | 科学技術と経済:(1)市場と計画 |
9. | 科学技術と経済:(2)イノベーションと経済政策 |
10. | 冷戦下の科学技術政策の1950年モデル |
11. | 1970年代以降の知識産業社会における課題:(1)環境問題とエネルギー問題 |
12. | 1970年代以降の知識産業社会における課題:(2)コンピュータと情報化社会 |
13. | 産業構造の転換にともなう政策的課題と大学の役割 |
14. | 1990年代以降のグローバル経済における科学技術と社会経済の変貌 |
15. | 結論的注意:科学技術と社会の未来 |