2010年度 先端技術科学教育部 環境創生工学専攻 化学機能創生コース 博士前期課程 — [選択]

重合反応特論

Advanced Topics in Polymerization Reactions

教授・右手 浩一, 准教授・平野 朋広

2単位

形態

講義

目的

合成高分子は,構造材料あるいは機能材料として広く用いられている.高分子合成反応の基礎原理を理解する.また,高分子構造と物性との関係についても触れる.

概要

合成高分子は,構造材料あるいは機能材料として広く用いられ,人間生活,生産活動に不可欠のものとなっている.講義の前半(第1回∼第7回)では,イオン重合,配位重合,開環重合など高分子合成の基幹をなしている重合反応に関して,その反応機構や速度論など基礎理論について解説する(=担当:平野).講義の後半(第8回∼第15回)では,高分子溶液論,高分子固体構造論,および,高分子基礎物性の基礎をテキストに沿って平易に解説する(=担当:右手).本科目は,工業に関する科目である.

キーワード

リビング重合,立体特異性重合,配位重合,高分子希薄溶液物性,高分子固体構造論

関連科目

有機化学特論

要件

大学卒業レベルの化学に関する知識を有することが望ましい.

注意

第8回以降の講義では教科書を使用する.

目標

1.高分子合成反応の基礎原理を身につける.
2.重合反応におけるモノマーの構造と反応性に関する理解を深める.
3.高分子溶液論の基礎を学び,分子量測定に関する理解を深める.
4.高分子固体構造の基礎を学び,結晶構造の研究法に関する理解を深める.

計画

1.重合反応の分類
2.メタクリル酸エステルの立体特異性リビングアニオン重合
3.ポリマーのキャラクタリゼーション
4.チーグラー・ナッタ重合
5.シングルサイト触媒
6.メタセシス重合
7.アセチレンの重合
8.高分子科学の枠組み,分子量の測定法
9.高分子溶液論1(浸透圧法と第2ビリアル係数)
10.高分子溶液論2(光散乱法)
11.高分子溶液論3(粘度法)
12.高分子溶液論4(高分子のクロマトグラフィー)
13.高分子固体構造論1(結晶と非晶,固体構造の研究法)
14.高分子固体構造論2(結晶構造)
15.高分子の熱物性

評価

課題によって成績を評価する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

伊勢典夫他著「新高分子化学序論」化学同人

参考資料

佐藤恒之他著「高分子化学」朝倉書店

野瀬卓平他編「大学院高分子科学」講談社

Silverstein他著「有機化合物のスペクトルによる同定法」東京化学同人

連絡先

右手(化学棟406, 088-656-7402, ute@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 15:00 ∼ 17:00
平野(化405, hirano@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)