2010年度 先端技術科学教育部 システム創生工学専攻 電気電子創生工学コース 博士後期課程 — [選択]

電力エネルギー工学特論

Advanced Theory of Electric Power Control Systems

教授・川崎 憲介, 准教授・瀧川 喜義

2単位

形態

ポートフォーリオ

目的

社会の高度化と共に電力エネルギーの重要性はますます高まっている.一方,電力取引の自由化に伴う潮流の複雑化,太陽光発電や風力発電など出力予測の困難な分散型電源の増加,回転機と異なった特性を持つインバータ電源の増加などが予想されている.また,分散型電源の運用についても,パワーパークやバーチャルユーティリティなどIT技術を用いた新しい方式が提案されており,21世紀の電力ネットワークの運用はますます複雑·困難になって行くと考えられており,今まで以上に電力エネルギーについてより深い理解と高度な運用知識が必要になってくる.本講義では,各種発電方式の特性と電力ネットワークの理解を深めると共に,新しい分散型電源の発電特性や系統連系技術について学ぶ.

概要

各種発電装置の発電原理や特性,電力系統の周波数とエネルギーバランス,電圧と無効電力など電力ネットワーク特有の特性と解析手法を理解する.また,インバータを用いた分散型電源の系統連系技術や,太陽光発電などの出力変動等が系統運用に与える影響と技術課題の検討手法を学ぶ.

キーワード

電力系統制御,太陽光発電,インバーター

要件

特になし

目標

1.各種発電方式の原理や特性を理解し,モデリングができる.
2.電力ネットワークの原理や特性を理解し,系統解析ができる.
3.電力システムにおける需給バランスと周波数の関係,電圧と無効電力の関係を理解し,太陽光発電など出力変動の大きい分散型電源の系統連系上の課題と対策を説明できる.
4.分散型電源が系統連系する場合の課題を理解し,検討方法や対策を説明できる.

計画

1.エネルギー変換
2.電力潮流方程式の定式化(基礎回路方程式)
3.ノード方による潮流計算(ニュートン·ラフソン法)
4.ノード方による潮流計算(逐次代入法)
5.フロー交流法による潮流計算
6.電力ネットワークの電圧と無効電力
7.同期機のモデリング
8.回転機の動特性と周波数
9.太陽光などインバータを用いた分散型電源のモデリング
10.系統安定度·電圧安定度
11.動揺方程式とPSS等による安定化制御
12.太陽光発電などの出力変動と電力系統のエネルギーバランス
13.分散型電源の系統連系技術要件
14.単独運転検出方式
15.ITを用いた分散型電源の運用(パワーパークシステム,バーチャルユーティリティなど)など将来の電力ネットワーク
16.定期試験

評価

ポートフォーリオと試験で評価

教科書

プリント