破壊·構造力学特論
Advanced Fracture and Structural Mechanics
目的
機械·構造物の設計や安全性あるいは健全性を確保するために材料に内在するき裂状欠陥の先端に生じる応力分布を力学的に記述するパラメーターとき裂進展に対する材料の抵抗値を定量的に表す内容を講義し,演習,レポートを実施して機械·構造物の安全設計や破壊防止に必要な知識を修得させる.
概要
破壊力学の目的は機械や構造物に使用する部材の強度評価を行い,機械や構造物の安全性を保証することである.そのために部材に発生するき裂の力学的挙動,き裂先端応力解析,破壊力学による破壊解析,さらに弾塑性状態におけるき裂の非線形力学挙動などを中心に講義を進め,機械や構造物の設計あるいは使用中の破壊に対する防止のための理論的な根拠を平易に講述する.講義項目は次のとおりである.講義項目ごとに演習あるいはレポートを課し,理解を促す.工業にかかわる科目である.
キーワード
破壊,安全設計,き裂,機械·構造物,応力拡大係数
目標
1. | 破壊力学の概念の理解 |
2. | 応力拡大係数の破壊解析への応用 |
3. | 破壊靱性の物理的意味の理解 |
4. | J積分の定義と物理的意味の理解 |
計画
1. | 線形破壊力学の基礎と適用限界 |
2. | 応力拡大係数の評価 |
3. | 破壊靱性と破壊解析 |
4. | 破壊力学による機械安全性設計 |
5. | き裂先端付近の弾塑性変形 |
6. | 線形破壊力学と非線型破壊力学 |
7. | 中間試験 |
8. | J積分の定義と性質 |
9. | J積分の評価方法 |
10. | J積分による破壊靱性評価 |
11. | 破壊開始の条件 |
12. | き裂の安定成長と不安定破壊 |
13. | 非線形破壊力学の適用例 |
14. | 非線形破壊力学による破壊解析 |
15. | 破壊力学のまとめ |
16. | 定期試験 |
評価
グループ討論,レポートおよび試験によって,目標3から6の項目について目標達成ができていることを確認し,平均60%以上が合格
教科書
プリント
連絡先
村上(M318, 088-656-7392, murakami@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月曜日 4時から5時まで