がん看護論
Cancer Nursing
目的
がんに対する治療は年々複雑かつ高度になっている．このようながん患者が主体的に治療に参加し，その人らしい生活が維持できるよう支援するために必要ながん治療に関する基本的な知識，がん患者の主要な健康問題と援助方法について学習する．また，長い療養生活のなかでがん患者が抱える心身の苦痛や苦悩についての基本的なアプローチ方法について学ぶ．
概要
がんの医療は飛躍的に進歩し，今や慢性疾患と捉えている．しかし，根治治療が確立されているわけではなく，長期にわたる療養生活の過程で身体的・心理的・社会的・霊的な苦痛を体験する．このような患者のQOL向上を目指した看護を提供するためにはがん患者に対して専門的な視点から関心を深め，がんに関する基礎知識と基本的な援助方法を習得することが必要である．本科目では全人的視点からの人間理解を基盤にし，がんの病態的生物学的特徴や診断・治療方法，症状マネジメント．治療の副作用へのケア，全人的視点からの苦痛緩和ケアなどについて教授する．また，がん医療に関する新しい情報を提供する．
キーワード
意思決定，がんサバイバーシップ，QOL，症状マネーシ メント，トータルペイン
目標
| 1. | 1.がんの病態的生物学的特徴を理解する |
| 2. | 2．患者のQOLの観点からがん治療の現状と課題を理解する |
| 3. | 3．がんに対する診断と治療の特殊性について理解する |
| 4. | 4．がんに対する治療の実際について理解する |
| 5. | 5．緩和医療(palliative therapy)の目的と実際を理解する |
| 6. | 6．がん患者の健康問題の特殊性とがん看護の専門性を理解する |
| 7. | 7．治療に伴う副作用の発生機序を理解し，副作用の予防ケアと症状緩和ケアの方法を理解する |
| 8. | 8．がん患者に特有な症状の発生機序と症状マネイジメント方法を理解する |
| 9. | 9．ボディイメージの障害を経験しているがん患者に対する援助方法を理解する |
| 10. | 10．ターミナル期にある患者・家族のニードを理解し，援助のあり方を考察する |
| 11. | 11．がん患者ががんとよりよく生きるための援助の視点と方法を理解する |
| 12. | 12．がん医療に関する新しい情報を収集し，がん患者にとっての意味を考察する |
計画
| 1. | がん患者の健康問題の特殊性とがん患者の理解 |
| 2. | がんの病態とその特殊性/がんの疫学 |
| 3. | がんの診断と治療の特徴/患者のQOLとがん治療 |
| 4. | がん治療に伴う看護:①ボディイメージの変化をきたす治療をうける患者の看護 |
| 5. | がん治療の実際①肺がんに対する集学的治療 |
| 6. | がん治療の実際②肺がんに対する手術療法 |
| 7. | がん治療に伴う看護:②化学療法をうける患者の看護 |
| 8. | がん医療現場の実際と看護の専門性(外来化学療法室などの見学・講義) |
| 9. | がん治療に伴う看護:③放射線療法をうける患者の看護 |
| 10. | 緩和ケアの概念と実際 |
| 11. | 症状マネイジメント:がん性疼痛の特徴とペインコントロール |
| 12. | 症状マネイジメント:リンパ浮腫予防のケア |
| 13. | がん患者とのコミュニケーション/がんと共に生きることへの支援(演習) |
| 14. | 〃 |
| 15. | レポート課題(自己学習) |
| 16. | 試験 |
教科書
指定なし
参考資料
随時紹介
連絡先
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