2010年度 歯学部 口腔保健学科 学部課程 — [必修] 3年(前期)

歯科口腔介護学

Oral Health Care for the Elderly and Disabled

教授・中野 雅德, 教授・羽田 勝, 教授・吉田 秀夫, 講師・中道 敦子, 肩書不明・松本 尚子

2単位

形態

講義

一般目標

要介護高齢者や障害者に対して口腔保健の立場から関わるために,療養の管理,機能訓練並びに日常生活の支援を行うための基本的な知識,技術を理解する.

授業概要

要介護高齢者や障害者の口腔の現状について知り,高齢社会における歯科口腔介護(口腔ケア,口腔リハビリテーション)の意義や目的について理解し,関連する法制度やサービスに関する知識を習得する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントを適宜使用する)

授業場所

火曜2・3時限目 第1講義室

行動目標 (到達目標)

1.歯科口腔介護学に関する予備知識を整理し,講義に対するモチベーションを高める.
2.歯科口腔介護の内容の概要,意義および目的について説明できる.
3.歯科口腔介護を必要とする人の実状について説明できる.
4.高齢者や有病高齢者における身体的,精神的特徴について説明できる.
5.歯科口腔介護学に必要な歯科の基礎分野に関する知識を説明できる.
6.摂食・嚥下,構音障害についての概要を説明できる.
7.介護保険等における歯科衛生士の歯科口腔介護に関する業務について説明できる.
8.歯科口腔介護の具体的な内容および方法について説明できる.
9.歯科口腔介護で行うリハビリテーションについて説明できる.
10.歯科口腔介護の手順と方法について説明できる.
11.要介護者の置かれている環境に対応した歯科口腔介護について説明できる.
12.歯科口腔介護に必要な器材,薬剤について説明できる.
13.歯科口腔介護が介護予防に果たす役割ついて説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.講義への導入歯科口腔介護についての受講生の理解力の確認
小テストを用いた開講前の知識と意識の確認(事前に通告しておく)
中野,中道1
2. 〃歯科口腔介護に関する問題点の抽出
KJ法を用いた歯科口腔介護に関する問題点の抽出
3.総説介護と歯科口腔介護
高齢社会と介護の必要性
中野2
4. 〃 〃
歯科口腔介護とは,意義と目的,歯科口腔介護の内容の概要
5. 〃歯科口腔介護の対象と実態
歯科口腔介護を必要とする人,要介護度と歯科口腔介護,要介護者の実状
3
6.歯科口腔介護に必要な基礎知識高齢者における身体的,精神的特長
老化と高齢者の障害,歯科領域に見られる老化の概要
羽田4
7. 〃高齢有病者の歯科的特徴と問題点
高齢有病者者に見られる口腔症状,口腔症状を引き起こしやすい全身疾患,薬剤の副作用としての症状
吉田秀
8. 〃歯科口腔介護のための解剖学
老化に伴ってあらわれる歯科領域の構造の変化と病的な状態
羽田4,5
9. 〃歯科口腔介護のための生理学
老化に伴ってあらわれる歯科領域の機能の変化と病的な状態
10. 〃 歯科口腔介護課題分析
歯科口腔介護課題分析票作成演習
中道10,11
11. 〃歯科口腔介護のための摂食・嚥下障害学
摂食・嚥下障害学で学ぶ内容の要約
中野4,6
12. 〃歯科口腔介護に役立つ構音障害の知識
構音器官および構音障害
13.歯科口腔介護の内容と方法歯科口腔介護と歯科衛生士
歯科口腔介護の内容,介護保険等における歯科衛生士の業務
羽田7
14. 〃歯科口腔介護のための微生物学
老化に伴う微生物学的変化
中道4,12
15. 〃歯科口腔介護と介護予防
気道感染予防・QOL維持の実習
16. 〃義歯の取り扱いおよび食生活の介護
義歯の取り扱いと清掃の介護および食生活の自立支援
羽田8
17. 〃 〃
義歯の取り扱いに関する実習,食事介護の相互実習
松本
18. 〃機能的な歯科口腔介護
口腔機能の回復,維持のための機能的口腔ケア
中野
19. 〃hygienicな歯科口腔介護
口腔介護を必要とする人の口腔環境整備のための口腔ケア
中道
20. 〃 歯科領域の形態障害等に対する介護法
歯科領域の形態障害や顎顔面補綴患者に対応した歯科口腔介護
中野
21. 〃歯科口腔介護で行うリハビリテーション
リハビリテーションの考え方,歯科口腔介護で行うリハビリテーションの目的と手法
8,9
22. 〃hygienicな歯科口腔介護
車椅子利用者への口腔ケア実習
中道,松本
23. 〃 〃
麻痺体験と口腔ケアの相互実習
24. 〃 歯科口腔介護の手順と方法
ケアマネージメントの手法と介護保険,歯科口腔介護の手順と方法
羽田10
25. 〃 〃
歯科口腔介護に用いるプロトコール
26. 〃 要介護者の置かれている環境と歯科口腔介護
居宅における歯科口腔介護
11
27. 〃 〃
介護施設,病棟における歯科口腔介護
28. 〃 機能的な歯科口腔介護
機能的口腔ケア
中道6,8
29-30. 〃 口腔機能スキルと口腔機能リハビリテーション
表情機能,分泌機能のリハビリテーション
中道,松本8,9

成績評価の方法

筆記試験により行う.100点満点で60点以上を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

はじめて学ぶ歯科口腔介護 第2版 新井俊二,小椋秀亨 監修 医歯薬出版

参考資料

最新歯科衛生士教本 高齢者歯科 全国歯科衛生士教育協議会 監修 医歯薬出版

高齢者歯科ガイドブック 植松宏,稲葉繁,渡辺誠 編 医歯薬出版

実践訪問口腔ケア 鷹江津義矩 監修 クインテッセンス出版

歯科衛生士のための高齢者歯科 渡辺誠,岩久正明 監修 永末書店

脳卒中患者の口腔ケア 植田耕一郎 著 医歯薬出版

WHO:ICF (国際生活分類) 中央法規

口腔ケアハンドブック 菅武雄 著 日本医療企画

連絡先

中野(6F 口腔保健学科第2研究室, 088-633-7963, nakano@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
羽田(0886622684, hada@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 口腔保健学科 第1研究室 月~金 17:00~18:00
吉田(633-7354, yosihide@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
中道(088-633-7898, dh-nakamichi-0702@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 5F口腔保健学科・第3研究室/633-7898 月∼金17:00∼18:00 (dh-nakamichi-0702@dent.tokushima-u.ac.jp)
松本(連絡先未登録)
オフィスアワー: 6F 口腔保健学科 第3研究室 月~金 17:00~18:00