2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 5年(通年)

医療薬学・病院実務実習

Pharmacy Practice · Hospital Pharmacy

形態

実習

目的

病院実習では,調剤,製剤,病棟活動などの基本的薬剤師業務を習得し,患者の薬歴管理,薬の適正使用と服薬指導を通じて,患者から信頼されるためのコミュニケーションスキルの習得と医療における倫理観の醸成を目指す.

概要

徳島大学病院において,認定指導薬剤師と病院実習担当教員が協力し,病棟において薬剤管理指導業務とチーム医療について,薬剤部において調剤業務・製剤業務・医薬品管理業務・医薬品情報・TDM・リスクマネージメントについて実習を行い,病院における薬剤師職務に必要な知識・技能・態度を学ぶ.

カリキュラム関連

―実務実習モデル・コアカリキュラム(Ⅱ)に相当―

注意

本実習は,医療の現場で日々繰り返される「命」と向き合う業務に接することで,病院薬剤師の業務と責任を理解し,チーム医療の大切さや患者本位の医療について身をもって学んでもらいたい.なお,本実習の最初に開催されるオリエンテーションの内容,特に衛生面での安全性配慮や実習施設での機器や物品,情報等の取り扱いについて十分熟知し,事故の無いように実習を進めていただきたい.

目標

1.病院調剤業務の全体の流れ
  1. 病院における患者の診療課程や診療システムを概説できる.
  2. 病院における医療スタッフの職種と役割を説明できる.
  3. 病院薬剤部における業務の種類と役割を説明できる.
  4. 院内における処方箋の流れを概説できる.
2.計数・計量調剤
  1. 処方せんの記載に従って計数調剤,計量調剤を行うことができる.(技能)
  2. 調剤された医薬品に対して,鑑査の実務を体験する.(技能)
3.服薬指導
  1. 患者向けの説明文書を作成し,交付できる.(知識・機能)
  2. 患者に医薬品の使用方法を適切に説明できる.
4.注射剤調剤
  1. 処方せんの記載に従って注射剤を取り揃えたり,混合操作を行うことができる.(技能)
  2. 細胞毒性のある注射剤の調剤について説明できる.
  3. 調剤された注射剤に対して,鑑査の実務を体験する.(技能)
5.安全対策
  1. リスクマネ-ジメントにおいて薬剤師が果たしている役割を説明できる.
  2. 薬剤師業務にまつわる過失,過誤を未然に防ぐための方策を提案できる.(態度)
  3. 実習中に生じた諸問題(調剤ミス,過誤,事故,クレーム等)を,正しく報告できる.
6.医薬品の管理・供給・保存
  1. 医薬品管理の流れを概説できる.
  2. 医薬品の品質に影響を与える因子と保存条件を説明できる.
  3. 特別な配慮を要する医薬品の扱いを体験し,それらの保存方法と意義について考察する.(態度)
  4. 医薬品の採用と中止の手続きを説明できる.
7.情報を正しく使い,提供する
  1. 院内での医薬品情報提供の手段,方法を概説でき,医薬品情報を提供できる.(技能)
8.情報の入手・評価・加工
  1. 医薬品の基本的な情報を,様々な情報源から収集できる.(技能)
9.ベットサイドで学ぶ
  1. 病棟業務における薬剤師の業務を概説できる.
  2. 病棟において医療スタッフと協調的に接し,意見を交換することができる.(技能・態度)
  3. 患者と接し,薬剤管理指導業務を体験する.(技能・態度)
10.薬剤を造る・調べる
  1. 院内製剤の必要性を理解し,院内製剤を調製できる.(技能)
  2. TDMを通して薬物療法の適正化について討議する.(技能・態度)
  3. 薬物中毒患者の中毒原因物質の検出方法と解毒方法について討議する.(知識,態度)
11.病院実習のまとめ
  1. 常に患者の存在を念頭に置き,倫理観をもち,かつ責任感のある薬剤師になるために,医療の担い手としてふさわしい態度を習得する.

計画

1.上記到達目標に従い,実習を進める.

評価

原則として欠席を認めない.成績評価は,実習評価表を用いて実施する.

再評価

認めない

教科書

徳島大学薬学部病院実務実習テキスト(徳島大学薬学部臨床薬学実務教育室 編著,徳島大学病院薬剤部 監修)からのプリントを配布.

参考書としては,日本薬剤師会 編「第十二改訂 調剤指針(増補版)」(薬事日報社) ,北原光夫 他編「治療薬マニュアル(2010)」(医学書院) ,浦部 晶夫 他編「今日の治療薬 2010 」(南江堂)

連絡先

(研究室)医薬品機能生化学,医薬品病態生化学,医薬品情報学,臨床薬学実務教育室
(Eメールアドレス)医薬品機能生化学・土屋浩一郎:tsuchiya@ph.tokushima-u.ac.jp,医薬品病態生化学・山崎哲男:yamazakt@ph.tokushima-u.ac.jp,医薬品情報学・山内あい子:aiko@ph.tokushima-u.ac.jp,臨床薬学実務教育室・東 満美:azuma@ph.tokushima-u.ac.jp

備考

平成22年度以降開講予定