医薬品安全学
Drug Safety Study
教授・山内 あい子
1単位
形態
講義
目的
医薬品を安全かつ有効に使用するために必要な知識を総合的に習得する.
概要
医薬品の開発から適性使用に至るまで,医薬品の安全性を確保するための制度や取り組みをはじめ,医薬品による種々の有害作用やその発現機構および回避方法について総合的に学ぶ.
カリキュラム関連
薬学モデル・コアカリキュラム範囲外
注意
学際的な基礎薬学の知識を医薬品開発や薬物治療の安全性確保に活かせる薬剤師を目指してください.講義中の活発な質疑応答を期待します.
目標
1. | 薬の安全性:過去に起こった薬害を知った上で,薬の安全性についての認識を持ち,医薬品の開発から市販後調査に至る安全性確保のための取り組みや,リスクマネージメントにおける医薬品情報担当者としての薬剤師の役割を説明できる. |
2. | 薬の毒性とその予測:トキシコキネティクスやトキシコゲノミクスの考え方を理解し,薬物反応・毒性発現の違いを種差や試験方法等の違いから評価・考察し,有害作用の予測について考えることができる. |
3. | 医薬品の安全性と毒性試験: 代表的な医薬品安全性試験ガイドラインについて説明できる. |
4. | 薬の副作用・有害作用:生殖発生毒性,遺伝子毒性,免疫毒性,標的臓器毒性,感覚器障害,薬物依存などについて理解し,代表的な薬の有害作用とその回避方法について説明できる. |
5. | 薬物相互作用:薬物-薬物間相互作用および薬物- 飲食物間相互作用の発現機序を理解し,例を挙げて説明できると同時に,その回避方法についても説明できる. |
計画
1. | 医薬品安全性学の概論 |
2. | 医薬品の安全性試験 |
3. | 薬の毒性とその予測 |
4. | 医薬品の生殖発生毒性 |
5. | 化学物質の発癌性 |
6. | 医薬品と遺伝子毒性 |
7. | 化学物質の免疫毒性 |
8. | 薬物依存性 |
9. | 臓器毒性1-肝毒性 |
10. | 臓器毒性2-腎毒性 |
11. | 臓器毒性3-感覚器障害 |
12. | 薬物相互作用1-薬物動態学的相互作用 |
13. | 薬物相互作用2-薬理学的相互作用 |
14. | 薬物相互作用3-薬物飲食物相互作用 |
15. | 中毒情報 |
16. | 定期試験 |
評価
学期末試験の結果に,授業中の質疑応答に対する評価,レポート点,出席率等をプラスして,成績を評価する.
再評価
実施する.
教科書
配布プリントをもとに講義を進める.
参考書:
キャサレット&ドール・トキシコロジー(カ-ティス・D.クラッセン,サイエンティスト社)
重大な副作用回避のための服薬指導情報集1∼4(日本病院薬剤師会編,薬業時報社)
医薬品トキシコロジー(佐藤哲男他共著,南江堂)
薬の安全性その基礎知識(高柳一成編,南山堂)
薬物間相互作用と医薬品の適正使用(澤田康文編,薬業時報社)
急性中毒処置の手引 必須272種の化学製品と自然毒情報(日本中毒情報センター編,薬業時報社)
調剤学総論(堀岡正義,南山堂)
連絡先
山内(088-633-7266, aiko@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
備考
平成21年度以降開講予定