2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(後期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(後期)

応用有機化学2

Applied Organic Chemistry 2

徳島大学,大学院ヘルスバイオサイエンス研究部,創薬資源科学部門,医薬資源科学講座,生物有機化学研究室 教授・南川 典昭

1単位

形態

講義

目的

有機化学は我々の生活と密接な関わりを保っています.まずヒトをはじめとする生命体は有機物質によって構成されています.また生体内で起こるほとんどすべての現象は有機物質によって引き起こされており,少なくとも自然科学的知見からいえば有機化学を知らずに生命を理解することは不可能です.本講義ではこれまで学んだ有機反応の復習に加え,新たにペリ環状反応,ラジカル反応さらには転位反応などについて学ぶことにより有機化学反応の多様性ならびに骨格構築法について学習します.

概要

主にペリ環状反応,ラジカル反応さらには転位反応などについて,何故そのような反応がおこるのか,さらには分子の骨格構築法としてどのように有用であるのかについて学習します.

カリキュラム関連

C-5-(2)

注意

講義を受講して,「解ること」と「解った気になること」には大きな違いがあります.必ずその日の授業内容を復習し,それでも理解できないことは積極的に質問してください.

目標

1.1. 共役ジエンへのハロゲンの付加反応の特徴について説明できる. 2. Diels-Alder反応の特徴を具体例を用いて説明できる. 3. フロンティア軌道法に基づき付加環化反応を説明できる. 4. ラジカル活性種の性質および反応が説明できる. 5. カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物,酸無水物,エステル,アミド,ニトリル)の代表的な性質と反応を列挙し,説明できる. 6. カルボン酸誘導体(エステル,アミド,ニトリル,酸ハロゲン化物,酸無水物)の代表的な合成法について説明できる. 7. アミン類の代表的な性質と反応を列挙し,説明できる. 8. アミンの代表的な合成法について説明できる. 9. 転位反応を用いた代表的な炭素骨格の構築法を列挙できる.

計画

1.イントロダクション
2.共役ジエンの反応
3.ペリ環状反応(Diels-Alder反応)
4.ペリ環状反応(電子環状反応)
5.ペリ環状反応(シグマトロピー転位)
6.ラジカル反応1(ラジカル反応の特徴)
7.ラジカル反応2(ラジカル反応の反応性)
8.ラジカル反応3(反応例;フラグメンテーション,置換反応)
9.ラジカル反応4(付加反応,酸化反応,還元反応)
10.カルボン酸誘導体(性質と反応)
11.アミンとその誘導体(性質と反応)
12.転位反応1(炭素への転位)
13.転位反応2(窒素への転位)
14.転位反応3(酸素への転位)
15.総まとめ

評価

出席と定期試験で評価する.

再評価

実施する.

教科書

ボルハルト・ショアー現代有機化学 上下 化学同人. 必要な場合はプリントを配布する.

連絡先

南川(医薬創製教育研究センター3F, 088-633-7288, minakawa@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)