2010年度 薬科学教育部 博士前期課程 — 隔年(前期)

2010年度 薬科学教育部 博士後期課程 — 隔年(前期)

海洋環境資源学特論

Marine Natural Products as Drug Resources

徳島大学,大学院ヘルスバイオサイエンス研究部,創薬資源科学部門,医薬資源科学講座,生物有機化学研究室 教授・南川 典昭, 准教授・大井 高

2単位

目的

日常生活では目に触れることがない珍しい海洋生物が,実はこれまで人類が遭遇したことがない物質を生産していること,それらの多くが医薬のリード化合物として有望であることを理解する.また,それら化合物の構造決定方について理解する.

概要

生薬,漢方薬を始めとする伝承薬は,数千年にわたる人間の生活から生まれたもので,主として陸上動植物を利用している.一方,海洋生物と人類との関わりはわずか数十年であり,海洋生物が医薬として用いられた例は皆無といって良い.この授業では海洋生物の代謝物について講義し,それらがどのような薬理活性を持ちどのような薬として利用される可能性があるかについて説明する. あわせてそれら化合物の構造決定に有効な2D-NMRなど最新の機器分析法について説明する.

注意

初歩的な有機化学と器機分析の基礎を理解しておく必要がある.e-learningは行わない

計画

1.海洋天然物化学の歴史
2.海洋生物の分類
3.海洋生物の代謝産物を化合物群に分ける
4.海藻から得られる薬理活性化合物
5.海洋軟体動物が生産する薬理活性化合物
6.フグ毒テトロドトキシンについて
7.微細藻が生産する猛毒シガトキシンなど
8.水圏生物の間で取り交わされる情報物質-I-
9.水圏生物の間で取り交わされる情報物質-II-
10.複雑な海洋天然物の構造決定について-最新のNMR-
11.複雑な海洋天然物の構造決定について-絶対配置とは-
12.複雑な海洋天然物の構造決定について-X解析-
13.医薬シード化合物としての海洋天然物-I-
14.医薬シード化合物としての海洋天然物-II-
15.医薬シード化合物としての海洋天然物-III-

評価

出席状況と小テストまたはレポート等により評価する.

連絡先

南川(医薬創製教育研究センター3F, 088-633-7288, minakawa@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
大井(088-633-7289, tooi@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

平成22年度後期開講