2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 3年(前期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 3年(前期)

環境薬学

Environmental Pharmacy

教授・德村 彰

1単位

形態

講義

目的

環境薬学の講義目的は,まず,人を取り巻く生活環境の変動が及ぼす影響,並びに,良好な生活環境の確保やその方策などを理解することである.また,現在,社会的に大きな関心を集めている環境汚染を中心とした諸問題について,その原因化学物質の発生機序,毒性,分析,除去対策を学習することも目的とする.:授業の概要

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-12-(1) と(2) に相当

注意

本講義の項目の多くは,新聞等のマスメデイアからも速報される社会的関心事であり,身近な問題と捉え,積極的に学習することを期待している.ナノの世界から全地球的規模にわたる幅広い学問分野にわたる体系的な知識習得を試みて下さい.

目標

1.地球環境と生態系
  1. 地球環境の成り立ちについて説明できる.
  2. 生態系の構成員を列挙し,その特徴と相互関係を説明できる.
  3. 人の健康と環境の関係を人が生態系の一員であることを理解する.
  4. 地球規模の環境問題の成因,人に与える影響について説明できる.
  5. 食物連鎖を介した化学物質の生物濃縮について具体例を挙げて説明できる.
  6. 化学物質の環境内動態と人の健康への影響について例を挙げて説明できる.
2.水環境
  1. 原水の種類を挙げ,特徴を説明できる.
  2. 水の浄化法について説明できる.
  3. 水の塩素処理の原理と問題点について説明できる.
  4. 水道水の水質基準の主な項目を列挙し,測定法を説明できる.
  5. 下水処理および排水処理の主な方法について説明できる.
  6. 水質汚濁の主な指標を水域ごとに列挙し,その意味を説明できる.
  7. 富栄養化の原因とそれによってもたらされる問題点を挙げ,対策を説明できる.
3.大気環境
  1. 空気の成分を説明できる.
  2. 主な大気汚染物質を列挙し,その推移と発生源について説明できる.
  3. 主な大気汚染物質の濃度測定法と健康影響について説明できる.
  4. 大気汚染に影響する気象要因(逆転層)を概説できる.
4.室内環境
  1. 室内環境を評価するための代表的な指標を列挙し,その測定法を説明できる.
  2. 室内環境と健康の関係について説明できる.
  3. 室内環境の保全のために配慮すべき事項について説明できる.
  4. シックハウス症候群について概説できる.
5.非電離放射線の生体への影響
  1. 非電離放射線の種類を列挙できる.
  2. 紫外線の種類を列挙し,その特徴と生態に及ぼす影響について説明できる.
  3. 赤外線の種類を列挙し,その特徴と生態に及ぼす影響について説明できる.
6.廃棄物
  1. 廃棄物の種類を列挙できる.
  2. 廃棄物処理の問題点を列挙し,その対策を説明できる.
  3. マニフェスト制度について説明できる.
  4. PRTR 法について説明できる.
7.環境保全と法的規制
  1. 典型七公害とその現状,および四大公害について説明できる.
  2. 環境基本法の理念を説明できる.
  3. 大気汚染を防止するための法規制について説明できる.
  4. 水質汚濁を防止するための法規制について説明できる.

計画

1.授業ガイダンス,地球環境の成り立ちと生態系の構成員
2.化学物質の環境内動態と食物連鎖による物質や元素の生体濃縮
3.飲料水の浄化法および塩素処理の原理と問題点
4.水道水の水質基準と測定法
5.下水処理と排水処理
6.水質汚濁指標と水域の富栄養化
7.地球規模での環境問題
8.空気の成分と大気汚染物質の測定法と健康影響
9.室内環境指標と保全と健康との関連
10.非電離放射線の生体への影響
11.廃棄物の種類と処理上の問題点
12.マニュフェスト制度とPRTR法
13.環境基本法の理念および典型七公害の発生要因
14.水質汚染や大気汚染を防止するための法規制
15.総復習
16.定期試験

評価

学期末試験を重点に出席などを考慮して総合的に評価する.

再評価

実施する.

教科書

衛生薬学」佐藤政男,中川靖一,川嶋洋一,鍛冶利幸 共著 南江堂 7000円+ 税
衛生薬学1,衛生薬学2でも使用する.

連絡先

(研究室)薬学部衛生薬学研究室(本館3階西)
(Eメールアドレス)tokumura@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に時間は定めていない.