2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

生物化学3

Biochemistry 3

准教授・田中 保

1単位

形態

講義

目的

体内の種々の細胞は,代謝と呼ばれる高度に統合された化学反応のネットワークによって,食物からのエネルギーの取り出しや貯蔵,細胞成分への変換を行っている.生物化学3では,これらの代謝の相互間の関連と調節,および個々の代謝反応の機序について教授する.

概要

生命活動が生体エネルギーによって支えられていることを理解させるために,食物成分からのエネルギーの産生,および糖質,脂質,タンパク質の代謝に関する基本的知識を習得させる.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-9-(4) に相当

注意

1. 様々な病気は生体内の代謝と係っておりこれらを勉強することは,病気の原因や薬の作用を知る上で重要である.
2. 自分で勉強する習慣を身につけてもらいたい.

目標

1.栄養素の利用
  1. 食物中の栄養成分の消化吸収,体内運搬について概説できる.
2.ATP の産生
  1. ATP が高エネルギー化合物であることを,化学構造をもとに説明できる.
  2. 解糖系について説明できる.
  3. クエン酸回路について説明できる.
  4. 電子伝達系(酸化的リン酸化について説明できる.
  5. 脂肪の分解,脂肪酸のβ- 酸化について説明できる.
  6. アセチルCoA のエネルギー代謝における役割を説明できる.
  7. エネルギー産生におけるミトコンドリアの役割を説明できる.
  8. ATP 産生阻害物質を列挙し,その阻害機構を説明できる.
  9. ペントースリン酸回路の生理的役割を説明できる.
  10. アルコール発酵,乳酸発酵の生理的役割を説明できる.
3.飢餓状態と飽食状態
  1. グリコーゲンの役割について説明できる.
  2. 糖新生について説明できる.
  3. 飢餓状態のエネルギー代謝 ( ケトン体の利用など) について説明できる.
  4. 余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる.
  5. 脂肪および脂肪酸の生合成経路を説明できる.
  6. 食餌性の血糖変動について説明できる.
  7. インシュリンとグルカゴンの役割を説明できる.
  8. 糖から脂肪酸への合成経路を説明できる.
  9. ケト原性アミノ酸と糖原性アミノ酸について説明できる.
4.脂質代謝
  1. コレステロールの生合成経路を説明できる.
  2. リン脂質の生合成経路を説明できる.

計画

1.授業ガイダンス
2.代謝入門
3.代謝調節機構
4.代謝の実験的解析
5.糖質代謝(1)
6.糖質代謝(2)
7.糖質代謝(3)
8.糖新生
9.脂質代謝(1)
10.脂質代謝(2)
11.脂質代謝 (3)
12.窒素化合物の代謝(1)
13.窒素化合物の代謝(2)
14.ヌクレオチド代謝
15.代謝調節とシグナル伝達
16.定期試験

評価

学期末試験を重点に出席などを考慮して総合的に評価する.

再評価

実施する.

教科書

カラー生化学 マシューズ ホルダ アハーン著 (監訳:清水孝雄,中谷一泰,高木正道,三浦謹一郎) 西村書店.生物化学1,2,3,4で使用する

連絡先

(研究室)薬学部衛生薬学研究室(本館3階西)
(Eメールアドレス)tanakat@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に設けていない.いつでもどうぞ.