病理学・口腔病理学
Pathology·Oral Pathology
形態
講義
一般目標
疾患の原因と病態に関する基本的知識を習得し,さらに顎口腔領域の様々な疾患の成立をトータルな生命現象として理解する.
授業概要
疾患の成立を正常からの逸脱として臓器,組織,細胞レベルでとらえ,病変を構造と機能の両面から学習する.
授業方法
講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)
授業場所
(前期)月曜2時限目 ,木曜4時限目 第6講義室
行動目標 (到達目標)
1. | 病理学を学ぶことの意義について理解する. |
2. | 遺伝の概念について理解し,遺伝性疾患と先天異常について概説できる. |
3. | 細胞障害と組織障害の原因を列挙し,説明できる. |
4. | ネクローシスとアポトーシスとの違いを説明できる. |
5. | 増殖と修復,再生の異同を説明できる. |
6. | 循環障害の種類,原因およびそれぞれの転帰を説明できる. |
7. | 免疫・アレルギー疾患の種類と発生機序を説明できる. |
8. | 炎症の定義,分類,病理組織学的変化を説明できる. |
9. | 特異性炎の種類を列挙できる. |
10. | 腫瘍の定義,組織発生を説明できる. |
11. | 細胞の異形成,退形成,分化について説明できる. |
12. | 腫瘍の増殖,浸潤,転移について説明できる. |
13. | 老化について概説できる. |
14. | 歯の発育異常の分類を列挙できる. |
15. | 歯の損傷,沈着物について説明できる. |
16. | う蝕の概念を説明し,その分類を列挙できる. |
17. | 歯髄炎,根尖性歯周炎,辺縁性歯周炎の病態と特徴を説明できる. |
18. | 抜歯創の治癒過程とドライソケットの誘因を説明できる. |
19. | 口腔粘膜病変の種類と特徴を説明できる. |
20. | 口内炎の病因と特徴を説明できる. |
21. | 口腔領域の先天異常の種類と病態について説明できる. |
22. | 顎骨疾患の病因,病態を説明できる. |
23. | 顎関節疾患の種類と病態を説明できる. |
24. | 顎口腔領域の嚢胞性疾患を説明できる. |
25. | 歯原性腫瘍,非歯原性腫瘍の種類と特徴を説明できる. |
26. | エナメル上皮腫の特徴を説明できる. |
27. | 口腔癌の特徴を説明できる. |
28. | 唾液腺疾患の種類およびその加齢変化について説明できる. |
29. | 口腔組織の加齢変化について概説できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 病理学総論 | 病理学概念,病因論 | 病理学の概念,細胞と組織,内因,外因 | 林 | 1 |
2. | 〃 | 遺伝性疾患と先天異常 | 遺伝性疾患,染色体異常,先天異常の種類と要因 | 吉田秀 | 2 |
3. | 〃 | 細胞障害 | 糖,蛋白,脂質,核酸代謝異常 | 林 | 3 |
4. | 〃 | 〃 | 変性萎縮,壊死,アポトーシス | 〃 | 4 |
5. | 〃 | 増殖と修復 | 肥大,増生,再生,化生,創傷治癒 | 〃 | 5 |
6. | 〃 | 循環障害 | 循環系の概要,虚血,充血,うっ血,出血,ショック | 伊賀 | 6 |
7. | 〃 | 〃 | 血栓,塞栓,梗塞,浮腫,傍側循環 | 〃 | 〃 |
8. | 〃 | 免疫異常 | 免疫応答,アレルギー,自己免疫,移植免疫 | 石丸 | 7 |
9. | 〃 | 炎症・感染症 | 炎症の概念,分類,炎症細胞,生体防御機構 | 〃 | 8 |
10. | 〃 | 〃 | 特異性炎(真菌,結核,梅毒,ハンセン病等) | 〃 | 9 |
11. | 〃 | 腫瘍 | 腫瘍の概説,発生,遺伝子変異,分類 | 伊賀 | 10 |
12. | 〃 | 〃 | 細胞の異形成,退形成,分化,癌の進展様式(浸潤,転移) | 〃 | 11,12 |
13. | 〃 | 老化 | 細胞老化,老化と寿命 | 吉田秀 | 13 |
14. | 口腔病理学 | 歯の発育異常 | 口腔病理学の概説,歯の大きさの異常,形の異常,数の異常,構造の異常,萌出の異常,位置の異常,咬合の異常 | 尾崎 | 14 |
15. | 〃 | 歯の損傷,沈着物 | 機械的損傷,化学的損傷,プラーク,歯石,象牙質・セメント質の増生 | 〃 | 15 |
16. | 〃 | う蝕 | 病因,誘因,分類 | 〃 | 16 |
17. | 〃 | 歯髄の病変 | 歯髄炎,歯髄の石灰化 | 〃 | 17 |
18. | 〃 | 歯周組織の病変 | 歯周組織の種類,根尖性歯周炎,歯周疾患 | 〃 | 〃 |
19. | 〃 | 抜歯創の治癒· | 抜歯創の治癒,ドライソケット | 伊賀 | 18 |
20. | 〃 | 口腔粘膜病変 | 口腔粘膜病変の分類,口内炎,ベーチェット病,前癌病変 | 〃 | 19,20 |
21. | 〃 | 先天異常 | 唇裂,口蓋裂,唇顎口蓋裂 | 吉田秀 | 21 |
22. | 〃 | 顎骨の病変 | 顎骨骨髄炎,上顎洞炎(歯性,鼻性),外傷 | 伊賀 | 22 |
23. | 〃 | 〃 | 線維性骨異形成症,ページェット病,その他の顎骨疾患 | 〃 | 〃 |
24. | 〃 | 顎関節病変 | 顎関節症,顎関節炎,関節リウマチ | 〃 | 23 |
25. | 〃 | 顎口腔領域の嚢胞 | 歯原性嚢胞 | 〃 | 24 |
26. | 〃 | 〃 | 非歯原性嚢胞,軟組織の嚢胞 | 〃 | 25 |
27. | 〃 | 顎口腔領域の腫瘍 | エナメル上皮腫,歯原性腫瘍,非歯原性腫瘍,エプーリス | 〃 | 26 |
28. | 〃 | 〃 | 口腔癌の種類,分化度 | 〃 | 27 |
29. | 〃 | 唾液腺の病変 | 加齢変化,化生,腫瘍,シェーグレン症候群 | 吉田秀 | 28 |
30. | 〃 | 口腔組織の加齢変化 | 歯牙硬組織の変化,歯髄・歯周組織の変化,口腔粘膜の変化,舌・味覚の変化 | 〃 | 29 |
成績評価の方法
筆記試験により行う.100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
新歯科衛生士教本「病理学」第2版 全国歯科衛生士教育協議会編 医歯薬出版
参考資料
標準病理学 医学書院
口腔病理学Ⅰ,Ⅱ 永末書店
WEBページ
連絡先
伊賀 弘起(iga@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・教授室/633-7963)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
林 良夫 (hayashi@dent.tokushima-u.ac.jp/4F 口腔病理学・教授室/633-7327)
- オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00
石丸 直澄 (ishimaru@dent.tokushima-u.ac.jp/4F 口腔病理学・第2研究室/633-7328)
- オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00
吉田 秀夫 (yosihide@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・教授室/633-9213)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
尾崎 和美 (ozaki@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第2研究室/633-9309)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00