2010年度 歯学部 口腔保健学科 学部課程 — [必修] 2年(前期), 2年(後期)

病理学・口腔病理学

Pathology·Oral Pathology

教授・伊賀 弘起, 教授・林 良夫, 准教授・石丸 直澄, 教授・吉田 秀夫, 教授・尾崎 和美

2単位

形態

講義

一般目標

疾患の原因と病態に関する基本的知識を習得し,さらに顎口腔領域の様々な疾患の成立をトータルな生命現象として理解する.

授業概要

疾患の成立を正常からの逸脱として臓器,組織,細胞レベルでとらえ,病変を構造と機能の両面から学習する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)

授業場所

(前期)月曜2時限目 ,木曜4時限目 第6講義室

行動目標 (到達目標)

1.病理学を学ぶことの意義について理解する.
2.遺伝の概念について理解し,遺伝性疾患と先天異常について概説できる.
3.細胞障害と組織障害の原因を列挙し,説明できる.
4.ネクローシスとアポトーシスとの違いを説明できる.
5.増殖と修復,再生の異同を説明できる.
6.循環障害の種類,原因およびそれぞれの転帰を説明できる.
7.免疫・アレルギー疾患の種類と発生機序を説明できる.
8.炎症の定義,分類,病理組織学的変化を説明できる.
9.特異性炎の種類を列挙できる.
10.腫瘍の定義,組織発生を説明できる.
11.細胞の異形成,退形成,分化について説明できる.
12.腫瘍の増殖,浸潤,転移について説明できる.
13.老化について概説できる.
14.歯の発育異常の分類を列挙できる.
15.歯の損傷,沈着物について説明できる.
16.う蝕の概念を説明し,その分類を列挙できる.
17.歯髄炎,根尖性歯周炎,辺縁性歯周炎の病態と特徴を説明できる.
18.抜歯創の治癒過程とドライソケットの誘因を説明できる.
19.口腔粘膜病変の種類と特徴を説明できる.
20.口内炎の病因と特徴を説明できる.
21.口腔領域の先天異常の種類と病態について説明できる.
22.顎骨疾患の病因,病態を説明できる.
23.顎関節疾患の種類と病態を説明できる.
24.顎口腔領域の嚢胞性疾患を説明できる.
25.歯原性腫瘍,非歯原性腫瘍の種類と特徴を説明できる.
26.エナメル上皮腫の特徴を説明できる.
27.口腔癌の特徴を説明できる.
28.唾液腺疾患の種類およびその加齢変化について説明できる.
29.口腔組織の加齢変化について概説できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.病理学総論病理学概念,病因論
病理学の概念,細胞と組織,内因,外因
1
2. 〃遺伝性疾患と先天異常
遺伝性疾患,染色体異常,先天異常の種類と要因
吉田秀2
3. 〃細胞障害
糖,蛋白,脂質,核酸代謝異常
3
4. 〃 〃
変性萎縮,壊死,アポトーシス
4
5. 〃増殖と修復
肥大,増生,再生,化生,創傷治癒
5
6. 〃循環障害
循環系の概要,虚血,充血,うっ血,出血,ショック
伊賀6
7. 〃 〃
血栓,塞栓,梗塞,浮腫,傍側循環
8. 〃免疫異常
免疫応答,アレルギー,自己免疫,移植免疫
石丸7
9. 〃炎症・感染症
炎症の概念,分類,炎症細胞,生体防御機構
8
10. 〃 〃
特異性炎(真菌,結核,梅毒,ハンセン病等)
9
11. 〃腫瘍
腫瘍の概説,発生,遺伝子変異,分類
伊賀10
12. 〃 〃
細胞の異形成,退形成,分化,癌の進展様式(浸潤,転移)
11,12
13. 〃老化
細胞老化,老化と寿命
吉田秀13
14.口腔病理学歯の発育異常
口腔病理学の概説,歯の大きさの異常,形の異常,数の異常,構造の異常,萌出の異常,位置の異常,咬合の異常
尾崎14
15. 〃歯の損傷,沈着物
機械的損傷,化学的損傷,プラーク,歯石,象牙質・セメント質の増生
15
16. 〃う蝕
病因,誘因,分類
16
17. 〃歯髄の病変
歯髄炎,歯髄の石灰化
17
18. 〃歯周組織の病変
歯周組織の種類,根尖性歯周炎,歯周疾患
19. 〃抜歯創の治癒·
抜歯創の治癒,ドライソケット
伊賀18
20. 〃口腔粘膜病変
口腔粘膜病変の分類,口内炎,ベーチェット病,前癌病変
19,20
21. 〃先天異常
唇裂,口蓋裂,唇顎口蓋裂
吉田秀21
22. 〃顎骨の病変
顎骨骨髄炎,上顎洞炎(歯性,鼻性),外傷
伊賀22
23. 〃 〃
線維性骨異形成症,ページェット病,その他の顎骨疾患
24. 〃顎関節病変
顎関節症,顎関節炎,関節リウマチ
23
25. 〃顎口腔領域の嚢胞
歯原性嚢胞
24
26. 〃 〃
非歯原性嚢胞,軟組織の嚢胞
25
27. 〃顎口腔領域の腫瘍
エナメル上皮腫,歯原性腫瘍,非歯原性腫瘍,エプーリス
26
28. 〃 〃
口腔癌の種類,分化度
27
29. 〃唾液腺の病変
加齢変化,化生,腫瘍,シェーグレン症候群
吉田秀28
30. 〃口腔組織の加齢変化
歯牙硬組織の変化,歯髄・歯周組織の変化,口腔粘膜の変化,舌・味覚の変化
29

成績評価の方法

筆記試験により行う.100点満点で60点以上を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

新歯科衛生士教本「病理学」第2版 全国歯科衛生士教育協議会編 医歯薬出版

参考資料

標準病理学 医学書院

口腔病理学Ⅰ,Ⅱ 永末書店

連絡先

伊賀 弘起(iga@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・教授室/633-7963)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
林 良夫 (hayashi@dent.tokushima-u.ac.jp/4F 口腔病理学・教授室/633-7327)
オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00
石丸 直澄 (ishimaru@dent.tokushima-u.ac.jp/4F 口腔病理学・第2研究室/633-7328)
オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00
吉田 秀夫 (yosihide@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・教授室/633-9213)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
尾崎 和美 (ozaki@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第2研究室/633-9309)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00