総合歯科学3
Overview in Dentistry3
形態
講義
授業目的
テーマ1・人体解剖学は,体を骨格系や内臓系などの系統別に分けて論ずる系統解剖学と,体の各領域について,異なる系統のものも一括して,そこの構造全体を対象として論ずる局所解剖学に分けられる.2・3年次で修得した解剖学はこの系統解剖学と頭頸部の局所解剖学である.ここでは,`臨床にさらに踏み込んだ形の頭頸部の局所解剖学'として,臨床のテーマ毎に,その理解に必要な局所解剖学的事項について学習し,種々解剖構造のもつ臨床的意義を理解する.さらに,関連する歯科・口腔外科疾患の診断・治療について学習し,`エビデンスに基づく歯科・口腔外科診療'の考え方を修得する.
テーマ2・基礎系科目および臨床系科目において習得した「歯周病」について,知識の整理を行うとともに,総合的な観点から「歯周病」を理解することが大きな目的である.歯周病の病態を細菌学的,免疫学的,生化学的側面から理解し,また全身との関わりを学ぶことに加え,臨床面での新しい診断法や治療法の実際を修得する.
授業概要
テーマ1・顎口腔領域の解剖と臨床(8回分)
歯科医師として必要な頭頸部(顎顔面口腔領域を中心とする)の局所解剖学的知識を,臨床のテーマ毎にまとめ,解剖学的事項のもつ臨床的意義を解説する.
テーマ2・歯周病と組織再生(7回) ライフサイエンスの基礎的知識を通じて歯周病の病態を理解するとともに,先端的な歯周治療の診断と治療および将来展望についての知識を深める.
授業方法
講義(プリント,スライド)
授業場所
月曜5時限,金曜5時限,示説室
注意事項
試験を受けるためには授業時間の3分の2以上出席していなければならない.
その他の要件としては,学生便覧の歯学部規則に従う.
授業計画
回 | 項目 | 内容 | 担当 |
---|---|---|---|
1. | 上顎骨の臨床解剖学 | 無歯上顎骨の形態,上顎骨にあく孔・管,上顎洞 | 北村 |
2. | 下顎骨の臨床解剖学 | 無歯下顎骨の形態,下顎骨にあく孔・管,下顎管,顎舌骨筋線 | 〃 |
3. | 歯科局所麻酔時に必要な局所解剖学の知識 | 顎骨内の神経分布,上顎骨・下顎骨と浸潤麻酔,下顎孔伝達麻酔に関連する解剖構造,三叉神経の解剖学 | 〃 |
4. | 総義歯の形態と解剖構造 | 唇・頬側の研磨面形態と解剖構造,上顎義歯の形態と解剖構造,下顎義歯の形態と解剖構造 | 〃 |
5. | 顎骨およびその周辺の局所解剖学―上顎インプラントの植立を例に | どの部位が植立に適しているか,粘膜・骨膜の剥離,前歯部への植立,上顎洞底への植立,上顎結節への植立 | 〃 |
6. | 顎骨およびその周辺の局所解剖学―下顎インプラントの植立を例に | 下顎骨へのインプラントの植立,口腔底への外科的処置,臼後三角への外科的処置 | 〃 |
7. | 口腔周辺の筋膜隙と歯性感染 | 口腔周辺の筋膜隙,上・下顎の歯の根尖からの化膿性炎症の波及経路 | 〃 |
8. | 摂食嚥下と義歯 | 喉頭蓋谷と梨状陥凹,舌・舌骨・喉頭・咽頭複合体と嚥下,舌骨のはたらき,義歯は嚥下とどうかかわるのか | 〃 |
9. | 歯周治療の現状と課題 | 現在の歯周治療法,先端的な治療法,課題と展望 | 永田 |
10. | 歯周病細菌の局所病原性 | 複数の病原菌が関与する歯周病の細菌学的病因論を宿主-寄生体関係を軸に考える. | 三宅 |
11. | 歯周病と免疫応答 | 歯周組織における免疫応答を説明し,歯周病の病態を解説する. | 松尾 |
12. | 口腔内細菌の全身伝播 | 感染性心内膜炎など口腔細菌による病巣感染性疾患を再考する. | 伊藤 |
13. | 歯肉溝滲出液の生化学診断 | 歯肉溝滲出液中に含まれる種々の物質とその臨床的意義を考察する. | 木戸 |
14. | 歯周組織再生療法の実際 | 歯周組織再生療法の種類,適応症および術式 | 二宮 |
15. | 歯肉歯槽粘膜手術の実際 | 歯周組織をより正常な形態に近づける外科術式について解説する. | 大石 |
成績評価の方法
試験を行う.試験方法については,担当教員を交え教務委員会で協議決定する.
100点満点で60点以上のものを合格とする.
再試験
1回のみ行う.
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: (火∼金 16:15-17:45/4F 口腔解剖学1・教授室)
- オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00/3F 第2保存・教授室
- オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00/4F 口腔微生物学・教授室
- オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00/2F 第1保存・教授室
- オフィスアワー: (itohiro@dent.tokushima-u.ac.jp/月・水・金16:00∼17:00/5F 予防歯学・教授室/633-7336)
- オフィスアワー: 月∼木 17:00∼18:00/3F 第2保存・第1研究室
- オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00/3F 第2保存・第1研究室
- オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00/3F 第2保存・第1研究室
備考
履修には3分の2以上の出席が必要である.試験は学生便覧の歯学部規則を満たしている者に対して行う.