2010年度 歯学部 口腔保健学科 学部課程 — [必修] 2年(後期), 3年(前期)

補綴系歯科学

Prosthodontics

教授・中野 雅德, 教授・河野 文昭, 教授・羽田 勝, 講師・西川 啓介, 講師・友竹 偉則, 助教・細木 眞紀, 助教・星野 由美, 肩書不明・松本 尚子

2単位

形態

講義

一般目標

顎口腔機能について理解するとともに,障害がある場合に補綴装置によって機能,形態,審美を回復し維持するための診断,治療,術後管理法について学習する.

授業概要

顎口腔機能の健常な状態と歯の欠損等によって生ずる障害のある状態について学習し,これらの障害を回復維持するための,各種補綴装置について,診断,治療,術後管理に関する基本的事項を修得する.また,補綴治療を必要とする患者に対する歯科衛生士としての対応の仕方について修得する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)

授業場所

(2年次後期)木曜日1時限目 第6講義室,(3年次前期)木曜日1時限目 第5講義室

行動目標 (到達目標)

1.歯科補綴の概要を説明できる.
2.補綴歯科治療の意義および目的について説明できる.
3.基本的な顎口腔系の形態の概要を説明できる.
4.咬合,顎運動に関する基本的事項について説明できる.
5.基本的な顎口腔機能の概要を説明できる.
6.歯の欠損に伴う形態的,機能的,心理的,社会的影響について説明できる.
7.有床義歯の種類(分類),構成要素,について説明できる.
8.固定性補綴装置の種類,特徴,構造について説明できる.
9.補綴歯科治療における検査·診断に関する基本的事項について説明できる.
10.クラウンブリッジ治療の流れとその概要について説明できる.
11.クラウンブリッジ治療のメインテナンスについて説明できる.
12.全部床義歯の治療の流れとその概要について説明できる.
13.部分床義歯の治療の流れとその概要について説明できる.
14.有床義歯のメインテナンスについて説明できる.
15.インプラント治療の概要を説明できる.
16.補綴歯科治療で使用する器材について説明できる.
17.補綴歯科治療における歯科技工について概要を説明できる.
18.クラウンブリッジ治療における歯科衛生士業務について説明できる.
19.テンポラリークラウンの目的,種類,製作法,調整法,仮着法などについて説明できる.
20.クラウンブリッジ治療における患者指導について説明できる.
21.床義歯治療における歯科衛生士業務について説明できる.
22.床義歯治療における患者指導について説明できる.
23.インプラント治療における患者指導について説明できる.
24.補綴歯科治療に関する器材の管理について説明できる.
25.金属アレルギーの概要を説明できる.
26.睡眠時無呼吸症候群および口腔内装置の概要について説明できる.
27.ブラキシズムの概要を説明できる.
28.スポーツ歯科の概要を説明できる.
29.顎顔面補綴の概要を説明できる.
30.顎関節症の概要を説明できる.
31.顎関節症におけるケアについて説明できる.
32.補綴歯科治療を成功させるための歯科衛生士の役割について説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.総論および基礎歯科補綴の概要
この教科で何を学ぶか,歯科補綴学とは,意義(健康,QOL),目的,補綴治療の適応症,歯科衛生士の役割
中野1,2
2. 〃補綴歯科治療の基礎知識 顎口腔系の形態
歯列弓,咬合湾曲,咬合平面,対合関係,基準平面
3
3. 〃補綴歯科治療の基礎知識 咬合と顎運動
咬合と顎運動,咬合様式,アンテリアルガイダンス,ポステリアルガイダンス
4
4. 〃補綴歯科治療の基礎知識 顎口腔機能
咀嚼,嚥下,発音,口腔感覚,唾液分泌
羽田5
5. 〃歯の欠損の伴う変化と影響
歯の欠損に伴う口腔顔面の変化,身体的障害機能障害,心理的問題,社会的影響
6
6. 〃可撤性補綴装置の種類とその構造
全部床義歯の用途別分類,全部床義歯の構成要素,部分床義歯の分類と構成要素
7
7. 〃固定性補綴装置の種類とその構造
クラウンの分類と特徴,ブリッジの分類と特徴,構造
中野8
8.補綴歯科治療の実際補綴歯科治療における検査·診断
医療面接,口腔内検査,スタディモデルによる検査,咬合,顎運動,顎関節の検査
9
9. 〃クラウン治療の実際
検査,診断,治療計画の決定,前処置,支台歯形成,歯台築造,テンポラリークラウン,印象採得,咬合採得,口腔内試適,調整,研磨,合着,メインテナンス
8,9,10,11,19
10. 〃ブリッジ治療の実際
検査,診断,治療計画の決定,前処置,支台歯形成,印象採得,咬合採得,口腔内試適,合着,メインテナンス
8,9,11
11. 〃全部床義歯治療の実際
印象採得,顎間関係の記録(咬合採得),ろう義歯試適,義歯装着,メインテナンス
羽田12,14
12. 〃部分床義歯治療の実際
印象採得,咬合採得,ろう義歯試適,義歯の装着,メインテナンス
13,14
13. 〃インプラント治療の実際
インプラントとは,インプラントの構造,インプラント治療の流れ,メインテナンス
友竹15
14. 〃補綴歯科治療に用いられる器材1
切削,研磨用器材,印象採得用器材
羽田16
15. 〃補綴歯科治療に用いられる器材2
咬合採得用器材,人工歯
16. 〃補綴歯科治療における歯科技工
クラウンブリッジの製作,有床義歯の製作,補綴装置の補修
中野17
17. 〃クラウンブリッジ治療における歯科衛生士業務
クラウンブリッジ(生活歯および失活歯)治療において
星野10,11,18
18. 〃テンポラリークラウン
テンポラリークラウンの目的,種類,製作法,調整法,仮着法
10,11,19
19. 〃患者指導 クラウンブリッジ
治療前,テンポラリークラウン仮着時,装着後,メインテナンス時の患者指導とプロフェッショナルケア
10,11,19,20
20. 〃全部床義歯治療における歯科衛生士業務
全部床義歯治療において準備するもの,治療の流れの中での役割
松本12,14,21,22
21. 〃部分床義歯治療における歯科衛生士業務
部分床義歯治療において準備するもの,治療の流れの中での役割
13,14,21,22
22. 〃患者指導 義歯,インプラント
治療前,義歯装着後,メインテナンス時の観察,指導,義歯装着者への配慮,インプラント治療における特別な患者指導
羽田12,13,14,15,21,22,23
23. 〃 器材の管理
診療室の管理,器具·器材別滅菌,消毒,洗浄,保管,技工物等の保管
24
24.補綴歯科と関連する疾患等金属アレルギーと歯科
金属アレルギーとは,診断,治療法
細木25
25. 〃睡眠時無呼吸症候群,ブラキシズム
睡眠時無呼吸症候群とは,治療法と歯科装置,ブラキシズムとブラキシズムの弊害,ナイトガード
西川26,27
26. 〃スポーツ歯科
マウスプロテクター,運動能力の増強
中野28
27. 〃顎顔面補綴
顎顔面補綴とは,種類,適応症,症例
河野29
28. 〃顎関節症1
顎関節症概説,顎関節症の診断と治療
中野30
29. 〃顎関節症2
顎関節症治療における歯科衛生士の関わり
30,31
30.総括補綴歯科治療を成功させるための歯科衛生士の役割
治療の動機づけ,リコールへの動機づけ,術後経過に影響を及ぼす要因と防止法(歯周炎,顎関節症,歯髄症状,審美)
羽田11,14,20,22,32

成績評価の方法

筆記試験を行い,成績が100点満点で60点以上の者を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

最新歯科衛生士教本「咀嚼障害・咬合異常1歯科補綴」 全国歯科衛生士教育協議会編集 医歯薬出版株式会社

参考資料

第2版 歯科補綴学 専門用語集 日本補綴歯科学会編 医歯薬出版

全部床義歯学 林 都志夫編 医歯薬出版

小部分床義歯学 藍 稔著 学建書院

クラウンブリッジ補綴学 石橋寛二ほか編 医歯薬出版

よくわかる口腔インプラント学 赤川安正ほか編 医歯薬出版

顎関節症入門 森本俊文ほか編 医歯薬出版

連絡先

中野 雅徳 (nakano@dent.tokushima-u.ac.jp/
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
河野 文昭 (fumiaki@dent.tokushima-u.ac.jp/6F総合歯科教授室/633-9180)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼19:00
羽田 勝 (hada@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第1研究室/633-9171)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
西川 啓介 (keisuke@dent.tokushima-u.ac.jp/2F 2補綴・第3研究室/633-7350)
オフィスアワー: 月水金17:00∼18:00
友竹 偉則 (tomotake@dent.tokushima-u.ac.jp/2F 1補綴・資料室/633-7347)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
細木 真紀 (hosoki@dent.tokushima-u.ac.jp/2F 2補綴・資料室/633-7350)
オフィスアワー: 月水金17:00∼18:00
星野 由美(star-dh-hoshino7@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・第3研究室/633-7898)(オフィスアワー:月∼金17:00∼18:00)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
松本尚子(naokom@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・第3研究室/633-7898)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00)