2010年度 歯学部 歯学科 学部課程 — 2年(後期)

解剖学(2)A·B 講義

Anatomy(2)

教授・羽地 達次, 准教授・樋浦 明夫, 准教授・沼子 千弥, 京都大学 非常勤講師・瀬戸口 烈司

2単位

形態

講義

授業目的

1. 人体の構造は様々な細胞が集まって組織ができ,組織が組み合わさって器官ができあがり,さらに器官が集まって成立する.このような細胞,組織および器官の形態と機能を理解する.
2. ヒトの歯は魚やワニの歯と異なり,ひとつひとつの形と働きが異なっている.ヒトの歯のひとつひとつの形態と機能を理解し,歯の異常と植立方向などの特徴を知り,それぞれの歯を識別する能力を養う.

授業概要

1. それぞれの細胞,組織および器官が各々の機能に応じて,どのような形態変化を示すかという視点から授業する.
2. ヒトの歯の一般的な形態を理解し,切歯,犬歯,小臼歯,大臼歯へと移行するとき,それぞれの歯の形がどのように変化していくかを教授する.

授業テーマ

1. 細胞,組織,器官の相互関係から人体を理解する.
2. ヒトの歯の形態と機能を理解する.

キーワード

細胞の構造,組織,歯

授業方法

指定した教科書に添って講義する.適宜,プリント,模型及びスライド等を併用する.

授業場所

第2講義室

注意事項

講義は毎回出席し,ノートをとること.講義内容に関する質問はオフィスアワーに受けるが,緊急の場合はこの限りではない.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.細胞膜,核,細胞内小器官,細胞骨格及び細胞死を説明できる.<D-1-(3)-1),2),5)>
2.細胞の接着装置と接着分子を説明できる.<D-1-(4)-1),2)>
3.身体を構成する組織の構造と機能を説明できる.<D-2-(3)-1),2),3),4),8)>
4.軟骨内骨化と膜内骨化及び骨の改造機構を説明できる.<D-2-(3)-5),6)>
5.消化管の基本構造と機能を説明できる.<D-2-(3)-血液-1),2),3)>
6.肝臓の小葉構造を説明できる.<D-2-(3)-消化器系-1)>
7.膵臓の外分泌腺と内分泌腺を説明できる.<D-2-(3)-消化器系-2)>
8.気管と肺の小葉構造を説明できる.<D-2-(3)-消化器系-3)>
9.泌尿器の組織構造を説明できる.<D-2-(3)-呼吸器系-1),2)>
10.生殖器の組織構造を説明できる.<D-2-(3)-泌尿器系-1)>
11.各内分泌器官と構造と機能及び分泌されるホルモンを説明できる.<D-2-(3)-生殖器系-1)>
12.視覚,聴覚及び平衡感覚の組織構造を説明できる.<D-2-(3)-内分泌系-1)>
13.歯の構造と機能を説明できる.<D-2-(3)-感覚器系-1),2),3)>
14.歯種を鑑別できる.<F-2-(4)-1)-4)>
15.咬合の定義を説明できる.<F-2-(4)-1)-2)>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.細胞細胞の構造
細胞膜,核,細胞内小器官,細胞骨格,組織と器官,細胞死の形態,細胞接着,細胞接着分子
樋浦1,2
2. 〃組織の成り立ち,細胞死
上皮,支持,筋,神経組織
1, 2
3.組織4つの組織
軟骨内骨化と膜内骨化,赤血球,白血球,骨髄,リンパ
4,5
4. 〃骨組織,血液,リンパ
一般的構造,食道,胃,小腸,大腸の粘膜の構造
6
5.消化器消化管
肝小葉を構成する細胞
7
6. 〃肝臓
膵臓の外分泌腺と内分泌腺
8
7. 〃膵臓
気道の粘膜,肺小葉の構造(血液空気関門の微細構造)
9
8.呼吸器気管
ネフロンの構造(血液尿関門の微細構造)
10
9. 〃
曲精管の構造,成熟卵胞の構造,性ホルモン
11
10.泌尿器腎臓
ネフロンの構造(血液尿関門の微細構造)
10
11.生殖器系精巣,卵巣
曲精管の構造,成熟卵胞の構造,性ホルモン
11
12.内分泌下垂体,甲状腺
下垂体と甲状腺の構造とそれらの構成細胞から分泌されるホルモンの作用機構
12
13. 〃上皮小体,副腎
上皮小体及び副腎の構造とそれらの構成細胞から分泌されるホルモンの作用機構
14.感覚器系視覚器(眼球)
骨迷路と膜迷路の構造
13
15.平行聴覚器(内耳)
平衡器と聴覚器の構造
16.歯牙解剖学総論 (1)歯の進化と歯の比較解剖学
角質歯,皮歯,真歯
羽地14
17.歯牙解剖学総論 (2)歯の解剖学概論
歯の外形,内景,歯の固定,歯牙記号,歯式
15
18.永久歯 (1)切歯 (1)
上顎中切歯,上顎側切歯
14,15
19.永久歯 (2)切歯 (2)
下顎中切歯,下顎側切歯
20.永久歯 (3)犬歯
上顎犬歯,下顎犬歯,上下顎犬歯の比較
21.永久歯 (4)小臼歯 (1)
上顎第1小臼歯,上顎第2小臼歯,上顎小臼歯の比較
14 15
22.永久歯 (5)小臼歯 (2)
下顎第1小臼歯,下顎第2小臼歯,下顎小臼歯の比較
14,15
23.永久歯 (6)大臼歯 (1)
上顎大臼歯と上顎大臼歯の形態の推移
24.永久歯 (7)大臼歯 (2)
下顎大臼歯と下顎大臼歯の形態の推移
14 15
25.歯の鑑別歯の鑑別法
歯種の鑑別,上下の鑑別,同一歯群内の順位の鑑別,左右の鑑別
15
26.乳歯総論乳歯の特性
永久歯との相違,乳歯の原始性
14 15
27.乳歯各論乳臼歯
上顎乳臼歯,下顎乳臼歯
28.歯群歯群の位置関係
上顎·下顎歯の位置関係,隣接歯間の位置関係,植立方向
14 16
29.歯の異常成因,形態,位置及び萌出時期の異常
復古形と未来形,歯数及び大きさの異常,異常結節
30.咬合正常咬合,異常咬合
咬合の定義,異常咬合の種類,早期·晩期萌出

成績評価の方法

2年次後期試験期間中に筆記試験を行い,成績が100点満点で60点以上の者を合格とする.

再試験

行う.

教科書,プリント,参考書

標準組織学総論 第4版,藤田恒夫,藤田尚男著 医学書院,2004

標準組織学各論 第3版,藤田恒夫,藤田尚男著 医学書院,2004

歯の解剖学 第22版,藤田恒太郎原著,桐野忠大,山下靖雄改訂,金原出版,2004

連絡先

羽地(088-633-7321, tat-hane@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金 17:00-18:00/4F 口腔解剖第二・教授室)
樋浦(633-9121, hiuraaki@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金 17:00-18:00/4F 口腔解剖第二・准教授室)