化学基礎実験
目的
基礎的な化学実験を行い,物質の分離分析,同定,合成等に必要な基本操作を習得することを目的とする.実験を通して化学物質の取り扱いを習熟し,その理解を深め危険な化学物質に対する安全な取り扱い方も学ぶ.
概要
物質総合コースと環境共生コース向けの試薬の取り扱いと化学実験の基礎的かつ基本的操作の習得. 安全教育とあわせて,化学分野での新人研究者や技術者としての基礎的な実験雑学も学べる. 教員志願者には,必須の授業内容である.
キーワード
分析化学実験,基礎化学実験
先行科目
注意
安全教育が必須のため安全教育専用の指定テキストと,実験用教科書を併用するので購入することが条件で受講を許可する.白衣着用,安全メガネ着用,適切な服装の指導など化学実験に対しての準備について安全上の理由で指導する.
目標
1. | 化学物質の取扱の習熟,実験の安全教育の徹底,化学実験の基礎の習熟 |
計画
1. | 実験の基礎知識(試薬全般と安全指導・安全対策・避難訓練を含む) |
2. | 無機定性I (NaOH) 硫酸イオンの定量(1) |
3. | 無機定性II (NH3) 硫酸イオンの定量(2) |
4. | 容量器具の取り扱い・シュウ酸の再結晶・0.1Nシュウ酸標準溶液の調製 |
5. | 0.1NNaOH標準溶液の調製(中和滴定)0.1NHCl標準溶液の調製(中和滴定 |
6. | 逆滴定による中和滴定 |
7. | 沈殿滴定(モール法) |
8. | キレート滴定(硬度測定) |
9. | 酸化還元滴定(オキシフル中の過酸化水素の定量) |
10. | 溶存酸素の測定(ウィンクラー法) |
11. | 物理化学実験(酢酸エチルのケン化速度と速度論)(1) |
12. | 物理化学実験(酢酸エチルのケン化速度と速度論)(2) |
13. | 電位差滴定pH曲線 (水酸化ナトリウム-塩酸, 炭酸ナトリウム) |
14. | アセトアニリドの合成 |
15. | 予備日 |
16. | 総括 |
評価
実験ノート(実験内容の予習,当日の実験記録,調べた資料),出席点(実験の取り組み姿勢点も含む)とレポート点を併用して評価する.レポートについては,自分が実際に行った実験操作と観察の記録,結果,考察を重点的に評価する.一定のレベルに達していないレポートは,再レポートにする.
再評価
実験課題毎に評価が一定のレベルに到達できなかった学生には,時間延長および後日再実験(木曜日午後等)等により再評価のための再実験を行う.
教科書
長島弘三・富田功「基礎化学選書・分析化学」裳華房
近畿化学会安全研究会編著「新人研究者・技術者のための安全のてびき」現場で求められる知識と行動」化学同人 ISBN 978-4-7598-1435-4
参考資料
「続•実験を安全に行うために」化学同人発行
丸山銓二朗「改稿 化学基礎実験」三共出版
連絡先
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