ジェンダー研究
目的
現代日本におけるセクシュアルマイノリティについて,社会学的に理解する.
概要
私たちは,日常生活の中で,他者と関わらずにはいられない.私たちはちらと見られたりじっと見つめられたりさえることに始まり,身振りを示し合ったり,ことばをやりとりすることで,他者を何者かだと判断しながら,他者とやりとりをしている.それによって,私たちの日常生活は営まれていると言える.そのような他者とのやりとり――相互行為――は,秩序だったものである.つまり,相互行為には決まり事がある.それが,どのようなものであるのかを,女だけれど女が好きだったり,女に生まれたけれど男として生きようとしているような人びと――セクシュアルマイノリティ――の経験から見ていく.その経験から,私たちが当たり前に生きている性別に関わる秩序が,そのようなものかを一緒に振り返り,それによって,私たちが生きている社会がどのような社会であるのかを考えていく.なお,授業中に書いてもらうリアクションペーパーによって,質問を受け付け,また理解度を確認する.
キーワード
ジェンダー,身体,社会学,性同一性障害,スティグマ,パッシング,セクシュアルマイノリティ,カミングアウト,性自認
注意
適宜資料を配付し,文献を紹介する.
目標
1. | 現代日本におけるセクシュアルマイノリティについて,社会学的に理解する. |
計画
1. | 自己紹介,講義のイントロダクション |
2. | セクシュアルマイノリティと基本用語の説明 |
3. | ドラマ「わたしがわたしであるために」(1) |
4. | ドラマ「私が私であるために」(2)・次回の導入(スティグマとパッシング) |
5. | 性同一性障害と相互行為 |
6. | 医療(1)性同一性障害の精神療法の実際(映像含む) |
7. | 医療(2)性別の基準を再考する |
8. | 性同一性障害者特例法 |
9. | レズビアン(1)カミングアウト(映像含む)・婚姻の問題(1)映画「ウーマンラブウーマン」(1) |
10. | 婚姻の問題(様々な法律と婚姻形態) |
11. | 「ウーマンラブウーマン」(2)(3)解説 |
12. | 性的指向と性自認再考 |
13. | いかにして「ふつう」の外見に駆り立てられるのか(1) |
14. | いかにして「ふつう」の外見に駆り立てられるのか(2) |
15. | 多様になってきている「性同一性障害」のあり方 |
16. | ドキュメンタリー「まんこ独り語り」(まとめ) |
評価
レポートによって理解度を確認する.
再評価
行わない.
教科書
教科書は使用しない.
参考資料
加藤秀一・石田仁・海老原暁子,2005,『図解雑学ジェンダー』ナツメ社.
連絡先
備考
平成21年度開講(隔年開講).平成21年度の本授業は夏期集中として,9月24日8:40から27日11:55にかけて開講される見込みです.