2010年度 総合科学部 自然システム学科 学部課程 — 1年(前期)

物質科学の基礎I

教授・日置 善郎

2単位

目的

自然科学の基礎としての物理学の理解

概要

物理学は現代の科学技術を支える大きな柱であり,将来どのような分野に進もうと理系学生の基礎として極めて重要な科目である.本講義では,この物理学の中で巨視的な現象を扱う古典物理学(力学・電磁気学・熱統計力学)から現代物理学の中核をなす量子論・相対論の基本的な構成までを概観する.そこには通常の常識では全く理解できないような現象も登場するが,それが正に現代の科学技術の基礎となった諸法則に結び付いている.それらを丁寧に,数式の取り扱いだけでなく基礎概念の理解にも力点を置いて解説していく.

キーワード

古典力学,古典電磁気学,量子力学,相対性理論

注意

教科書による講義のほか,例題などを提示し,また各自が演習問題等を行って理解を深める.但し,丁寧に解説するとは言っても,何も考えずにフラっと教室にやってきて,講義終了後も何もしないということであれば,どのような大学の科目も理解出来るはずがない.講義中に疑問があれば質問したり,予習·復習するなどの積極的な学習態度が望まれる.

目標

1.自然科学の諸法則を定量的に記述するために必要となる数学の基本事項を身につけ,それが具体的に力学において応用できるようになること.

計画

1.物理学の目的・現代物理学概観
2.古典物理学の世界(1) 素朴な自然観
3.古典物理学の世界(2) 古典力学概説
4.古典物理学の世界(3) 電磁気学概説
5.古典物理学の世界(4) 熱統計力学概説
6.古典物理学は万能か?(1) 原子世界と古典物理
7.古典物理学は万能か?(2) 古典物理の破錠
8.古典物理学は万能か?(3) 量子力学と現代物理学
9.量子物理学の世界(1) 量子の概念
10.量子物理学の世界(2) ボーアの原子模型
11.量子物理学の世界(3) 粒子の波動性
12.量子物理学の世界(4) 量子力学の完成
13.量子物理学の世界(5) 原子核・素粒子
14.相対性理論の世界(1) 研究の歴史
15.相対性理論の世界(2) 特殊相対性理論
16.期末試験

評価

数回行う小テスト・学期末試験・受講態度を総合して判定する.

再評価

有(筆記試験またはレポート)

教科書

教科書は市販のものではなく,自製テキストを使用する.加えて,必要に応じてプリントを配布する.

参考資料

関連する参考書については,講義中に適宜紹介する予定.

連絡先

日置(総合科学部3号館 1N04 号室, 088-656-7234, hioki@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (前期)火曜日11時50分∼13時(これ以外の時間でも訪問可)