2010年度 総合科学部 自然システム学科 生命·環境コース 生命環境サブコース 学部課程 — 4年(前期, 後期)

生命環境特別演習

教授・小山 保夫

2単位

目的

一般的には研究は論文として発表した場合にのみ評価される.しかし,自然科学系では学会発表やピアレビューを受けていない(審査制度のない)論文は評価されない.よって,得られた実験結果から「研究論文」を纏め,それを審査制度のある学術誌(国外,英文)に投稿してみよう.

概要

生命科学系学術誌に研究論文を投稿する(可能ならば,受理されるまで).

注意

健康であること.とにかく,論文が受理されるまでは学生自身も教員もそれなりに大変です.

目標

1.卒業までに卒業研究が論文として受理されること.

計画

1.研究論文を纏めて,それを学術誌に投稿し,レフリー(査読者)のコメントに答えて論文が受理され,学術誌に論文が掲載されるまで,そのプロセスで必要な実務を体験させます.
2.(前期)1-,2-および3-実験結果の精査および不足分の確定と追加(実験は3年次に行った分)
3.(前期)4-,5-および6-投稿先の決定,論文フォーマットの確認および論文構成の確認
4.(前期)7-論文書き.まずは簡単な「方法」から.
5.(前期)8-,9-および10-論文書き.次に簡単な「結果」を.
6.(前期)11-,12-および13-論文書き.「考察」を.引用文献を読みながらで,これは苦しい.
7.(前期)14-,15-,16-論文書き.「緒言」を.「緒言」は,なぜ,実験をしたのか,その意義付けである.普通は最初に書くが,ここでは最後に書く.その理由を解説しながら,論文指導を行う.仕上げて,夏休み前に投稿.
8.(後期)1-,2-および3-投稿した論文をどうするか.前期に投稿した論文は2か月以内に審査は終わり,戻ってくる.その審査結果により,ここからの講義内容は変わる.最も多いケースを想定して,以下の予定で講義を進める.
9.(後期)4-および5-投稿した論文をどうするか.改訂を求められた場合はそれに従い,追加実験および論文内容の改訂を検討する.
10.(後期)6-,7-および8-追加実験を行う.
11.(後期)9-,10-および11-査読者のコメントに対する回答(論文の改訂も含む)を書く.
12.(後期)12-冬休み前に再投稿を行う.
13.(後期)13-再投稿した論文の審査は早いので,2週間程度で戻ってくる.その審査結果により,ここからの講義内容は変わる.最も多いケースを想定して,以下の予定で講義を進める.
14.(後期)14-査読者のコメントの精査を行う.
15.(後期)15-コメントに沿って論文改訂を行う.
16.(後期)16-論文の最終稿を再々投稿し,審査結果を待つ.

評価

論文が受理されたら,満点.論文の受理が時間的に間に合わない場合は,そこまでのプロセスで評価します.

再評価

講義の内容上,再試は行えません.

教科書

研究室の先輩たちが残した論文(過去ニ年分)を参考にします.それらはhttp://pub2.ait230.tokushima-u.ac.jp/survey/person/60453/を見て,電子ジャーナルでダウンロードして下さい.

連絡先

小山(総合科学部3号館3N06, oyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: いつでも可.研究室にいない時はメールしなさい.