2010年度 総合科学部 自然システム学科 生命·環境コース 生命環境サブコース 学部課程 — 3年(前期)

2010年度 総合科学部 自然システム学科 生命·環境コース 生命機能サブコース 学部課程 — 3年(前期)

細胞情報学II

教授・小山 保夫

2単位

目的

(1)細胞情報学 I で得た知識を活用して,細胞のシグナル伝達に関する最近の知見を読み,さらに知識を深める.ついでに,それらの知識をどのように利用したら,化学物質の作用影響解析に役立つか,講義する. (2)化学物質の総数は二千万種類を超えてる.私たちが商業的に入手できる化学物質の数も十万種類程度はある.ところが,個々の化学物質の毒性について十分に検討されているわけではない.そこで,この講義では細胞の基本的な機能,生存(増殖)と死などに焦点を当て,それらに化学物質がどのような影響を与える可能性があるのか,幅広く解説を行う.ただし,研究者は過剰な可能性を主張する場合があるので,どのような研究が役立つかも講義する. (3)とにかく,エッセンシャル細胞生物学の知識を活用できるように講義する.

概要

細胞に対する化学物質(環境汚染物質,医薬品,生物毒など幅広く含む)の影響,それによる細胞生理機能変化を講義し,それらの知識を利用できるようにする.

キーワード

化学物質,影響評価

注意

細胞情報学 I を受講していることが望ましいが,基礎から講義するので,理解できる.

目標

1.細胞のシグナル伝達に関係する最近の知見に自由にアクセスし,自分で知識を深めていくことができるようにする.
2.化学物質が有している毒性を細胞レベルで理解できるようにする.

計画

1.細胞のシグナル伝達についての知識を深める.各種の受容体と細胞内シグナル伝達についての研究に接してみよう.
2.エッセンシャル細胞生物学の知識を活かして,研究を読み解こう(緒言).
3.エッセンシャル細胞生物学の知識を活かして,研究を読み解こう(方法).
4.エッセンシャル細胞生物学の知識を活かして,研究を読み解こう(結果).
5.エッセンシャル細胞生物学の知識を活かして,研究を読み解こう(考察).
6.「化学物質の細胞レベルでの影響評価」についての知識を深める.
7.細胞毒性について
8.細胞死の種類とそのメカニズムについて
9.細胞増殖への影響について
10.細胞レベルでの影響から臓器・個体レベルの影響を推定することについて
11.臓器レベルの影響について
12.個体レベルの影響について
13.身近な環境汚染物質としてのカドミウム,鉛,水銀,ヒ素の影響について
14.日常生活の中の化学物質の影響について
15.細胞レベルの知識の応用と限界について
16.進路と必要な知識について

評価

学生便覧の試験細則に準拠する.しかし,得点が低い場合には「出席」と「小テスト」の結果を加味する.

再評価

なし.

教科書

用語の意味などはエッセンシャル細胞生物学で十分に対応できる.

連絡先

小山(総合科学部3号館3N06, oyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 特に設定しないが,学生の研究指導の都合上,午後3時ー午後4時30分が望ましい.