空間情報特論A
教授・平井 松午
2単位
目的
「GISを活用した歴史地理学研究」に関わる基礎的知識の修得を目的とする.
概要
GIS(地理情報システム)を用いた歴史地理学的視点に立つ景観分析法や地域分析法について考察する.具体的には,GIS分析に有効な近世期における村絵図・城下絵図あるいは国絵図などの各種絵図資料や検地帳・郷帳(高辻帳)・棟付帳などの歴史資料,明治期に作成された地籍図・土地台帳や各種近代統計を活用した研究事例を紹介するとともに,受講者には文献研究・報告を課する.その上で,歴史資料を用いた景観復原法や地域分析の手法,さらには空中写真・衛星写真などを含めた各種デジタル画像データの特性などについて講義する.
キーワード
歴史地理学,絵図・古地図,景観分析,地域分析,GIS
目標
1. | 本授業では,歴史的な空間科学としての歴史地理学に関する基本的な研究方法,およびGIS(地理情報システム)などの最新の研究手法を用いた景観分析法・地域分析法を修得することを到達目標としている. |
計画
1. | 歴史地理学の研究方法と課題 |
2. | 歴史地理学研究における利用資料 |
3. | 絵図・史料調査と絵図調査票 |
4. | 古代の田図·開田図と中世荘園絵図 |
5. | 近世の国絵図と郷帳 |
6. | 近世の城下絵図と村絵図 |
7. | 近代統計と地形図・地籍図 |
8. | 学生による研究事例紹介:絵図・地図編 |
9. | 学生による研究事例紹介:史料・統計編 |
10. | GISを活用した景観分析・地域分析 |
11. | 絵図高精細画像データ・GISデータの活用 |
12. | 史料・統計のデータベースの活用 |
13. | 学生による研究事例紹介:絵図高精細画像データ編 |
14. | 学生による研究事例紹介:データベース編 |
15. | 歴史地理学研究の課題と展望 |
評価
本授業はおもに講義形式で行うが,受講学生には発表も課す.授業への取組姿勢や質疑内容,発表内容,レポートにより,評価を行う.
再評価
再試験等はない.
教科書
なし.授業時に必要なプリント·資料については適宜配布する.
参考資料
有薗正一郎ほか編『歴史地理学調査ハンドブック』古今書院,2001年,¥2,800.
高橋重雄ほか編『事例で学ぶGISと地域分析』古今書院,2005年,,000.
連絡先
平井(2116, 088-656-7159, hirai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)