社会心理学特論
教授・佐藤 健二
2単位
目的
人間の社会的行動に関する理論や知見を学習すること
概要
心理臨床実践は,クライエント-セラピスト間において展開されるものであり,それ自体が社会的行動の1つといえる.また,臨床心理学的問題の中には,対人恐怖などのように,社会的場面が大きく影響を与えているものがある.したがって,心理臨床実践を効果的に行うためには人間の社会的行動の理解が必要となる.本講義では,こうした背景を下に,人間の社会的行動に関する理論や知見を学習する.
注意
隔年(偶数年度)開講.本年22年度は開講.
目標
1. | 人間の社会的行動に関する理論や知見を学習し,それを基に臨床心理学的問題を考えることが出来る. |
計画
1. | 序章:新しい領域:臨床社会心理学とは |
2. | 第7章:本当の自分・仮面の自分〔自己開示と自己呈示〕 |
3. | 第8章:自己開示をすると健康になるか?〔自己開示と心身の健康〕 |
4. | 第9章:対人場面での不安〔自己呈示と社会不安・対人恐怖〕 |
5. | 第10章:人を助け,支えること〔援助行動とソーシャル・サポート〕 |
6. | 第11章:人はなぜ攻撃するのか〔攻撃行動と怒り・自己〕 |
7. | 第1章:「なぜ」を読み解く〔原因帰属理論と帰属のバイアス〕 |
8. | 第2章:どうして憂うつになるのか〔さまざまな帰属療法と抑うつ〕 |
9. | 第3章:勉強が出来なくてつらい〔原因帰属と学業行動〕 |
10. | 第4章:自分を意識する心〔自己注目と行動〕 |
11. | 第5章:自己注目から見る落ち込み〔抑うつの自己注目理論〕 |
12. | 第6章:「自分」が脅かされる〔自己意識理論と妄想・自我障害〕 |
13. | コラム:臨床場面における非言語的行動1:対人空間・視線行動・身体接触 |
14. | コラム:臨床場面における非言語的行動2:無意図的模倣と共感 |
15. | 終章:健康増進のための臨床社会心理学 |
16. | 総括 |
評価
三分の二以上の出席者に対してレポートを課し,評価する. 他,分担発表を行うが,発表者に加点する.
再評価
無し
教科書
坂本真士・佐藤健二 はじめての臨床社会心理学 有斐閣
参考資料
安藤清志他 1995 現代心理学入門4 社会心理学 岩波書店他
連絡先
佐藤(3S05, 088-656-7202, satoken@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 木曜日12:10-12:40