福祉社会特論B
教授・上野 加代子
2単位
目的
福祉社会としての現代社会を分析するためには,どのような探求手法と視座が必要かつ有効であるのかを講義する.具体的なトピックとしては,児童虐待問題,福祉援助専門家の共依存問題などを扱う.とくに授業では,構築主義の立場からの実践的探求を実際に行うことで身につけさせる.問題が問題として作られている仕組みを考察することで別様の問題構築の可能性,そして解決方法を考える実践力を養うことがその目的である.
概要
福祉社会としての現代社会を分析するためには,どのような探究手法と視座が必要かつ有効であるのかを講義する.具体的なトピックとしては,児童虐待問題,福祉援助専門家の共依存問題などを扱う.
目標
1. | 社会問題の構築主義の視点に立って,福祉社会関連テーマの実践的探究力を身につける.問題が問題として作られている仕組みを考察することで別様の問題構築の可能性,そして解決方法を考える実践力を養う. |
計画
1. | オリエンテーション |
2. | 社会問題の社会構築主義の系譜 |
3. | 児童虐待モラルパニック |
4. | 米国での児童虐待の発見 ―19世紀末 |
5. | 米国での児童虐待の再発見 ―1960年代 |
6. | 日本での児童虐待の発見 ―20世紀はじめ |
7. | 日本での児童虐待の再発見 ―1970年代 |
8. | 子どもへの性的虐待 ―問題の特殊性 |
9. | 子どもへの性犯罪 ―メーガン法 |
10. | ネグレクトと女性 |
11. | 発見方法の変化 |
12. | リスク社会と児童虐待 |
13. | アディクション |
14. | 共依存とアディクション |
15. | まとめ |
評価
レポートと授業参加状況から評価
教科書
上野加代子・野村知二 2003年 『児童虐待の構築 — 捕獲される家族』世界思想社
参考資料
初回授業で参考文献リストを配布