2010年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

生活と社会 / 消費生活と財産法

Living and Society / Consumption and Civil Law

平成19年度以前の授業科目:『生活と社会』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『生活と社会 / 消費生活と財産法』

准教授・直井 義典

2単位

 月(3.4) 全

授業のタイプ

講義

授業の目的

消費者庁が設置されるなど,現在,消費者保護体制を構築することに対する社会の要求にはきわめて強いものがある.消費者保護体制には行政による監督・刑事罰などさまざまな手段があるが,契約関係の適正な規律もまた重要な位置をしめる.そこで本講義では,契約関係について規律する財産法の概略を理解することによって,市民として生きるのに不可欠であると考えられる消費者問題に自ら対処できる力を身につけることを目的とする.

授業の概要

日常生活と密接な関わりをもつ財産法を,ものを買う・お金を借りるという2つのテーマに即して概説する.具体的には,近時特に問題が多発している製品品質の偽装・グレーゾーン金利問題やマルチ商法・キャッチセールス・通信販売等の消費者問題に対処できるよう,それらの問題に対する法的対応の基礎付けをなす民法典の関連規定に始まり,特別法についても解説を加えていく.消費者被害事例の紹介を目的とする講義ではないので注意すること

キーワード

民法,消費者

到達目標

1.法律の条文に基づいて,論理的に問題を考える力を身に付ける.
2.消費者問題に対応できる力を身につける.

授業の計画

1.消費者法の全体像
2.消費者庁
3.民法典の売買規定・その1(成立)
4.民法典の売買規定・その2(効力)
5.民法典の売買規定・その3(債務不履行)
6.契約の解除・取消
7.消費者保護法制・その1(消費者契約法)
8.消費者保護法制・その2(特商法)
9.消費者保護法制・その3(割賦販売法1)
10.消費者保護法制・その4(割賦販売法2)
11.貸金に関する民法典の規定
12.利息制限法制・その1(現行法の規定)
13.利息制限法制・その2(法規定の変遷)
14.消費貸借に関する判例の動き
15.期末試験
16.まとめ

成績評価の方法

授業への取り組み状況(出席点)ならびに期末試験の成績による.レポートを課す可能性もある.

再試験の有無

行わない.

教科書

教科書は使用しない.授業の際には六法を持参すること(購入すべき六法については初回に指示する).

参考書

講義中,適宜紹介する.

連絡先

直井(naoi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜10:30∼12:00