2010年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

人間と生命 / 心理学入門

Humanity and Life / Introduction to Psychology

平成19年度以前の授業科目:『人間と生命』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人間と生命 / 心理学入門』

教授・濱田 治良

2単位

 月(1.2) 全

授業の目的

「心理学の過去は長いが,その歴史は短い」と言われている.すなわち,人の心についての関心は人類の誕生以来長く続いてきたが,心理学が科学として成立してから百数十年が経過したにすぎない.独立した学問として成立した後の心理学が明らかにした科学的成果は多いが,人の心についての未知なる現象はまだ数多く残されている.本講義は,高校では学ばなかった「心理学」への入門科目である.特に心理学的実験を通して得られた成果を手掛かりにして人間の心と行動を理解する試みについて考察することを本講義の目的とする.

授業の概要

授業は一般心理学として講義する.特に「知覚」「発達」「学習」「動機づけ」について,それらの基礎的なトピックスを,代表的な心理学的実験結果を紹介しながら論ずる.そして,心理学的事実を知ることによって,新たな視点から人間を捉える手掛かりにしてほしい.また,講義の一環として,授業中に知覚心理学の実験実習を行い,各自のデー タを分析して簡単なレポートを提出してもらいます.

キーワード

「知覚」「発達」「学習」「動機づけ」

受講者へのメッセージ

心理学に関心のある意欲的な学生の受講を歓迎します.VTRも使用して講義内容を補足します.配布資料と講義内容及び各自の自習に基づいたノートを作成してください.

到達目標

1.人間や動物に関する心理学的実験を通して得られた代表的なデータを理解し,そのデータから導き出された基礎的理論や考え方を理解する.

授業の計画

1.授業は概ね次の5章から構成され,下記のそれぞれの項目を中心にして講義を進めます.
2.1.知覚
3.物理的世界と心理的世界,錯視の現象
4.2.発達における遺伝と環境
5.発達過程の原則,遺伝と環境,遺伝係数,発達の臨界期
6.3.認知と知覚の発達
7.認知の発達,知覚の発達
8.4.学習
9.古典的条件づけ,オペラント条件づけ,試行錯誤,洞察学習,模倣学習
10.5.動機づけ
11.内発的動機づけ,外発的動機づけ,ヤーキス·ドットソンの法則,潜在学習,目標勾配

成績評価の方法

中間試験(40%),期末試験(40%),レポート,出席により総合的に評価する.

再試験の有無

教科書

資料を配布しながら講義を進める.

参考書

参考書として,村田孝次著「教養の心理学」培風館,重野純著「心理学入門」北樹出版を勧める.

連絡先

濱田(3S02, 088-656-7195, hamada@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日 12時∼13時