2010年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

歴史と文化 / 古代・中世日本の社会

History and Culture / Ancient and Medieval Japanese History

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 古代・中世日本の社会』

准教授・衣川 仁

2単位

 月(1.2) 全

授業の目的

歴史はよく暗記物だといわれます.確かにそういった面もありますが,語呂合わせで平安京遷都の年代を覚えることよりも,なぜ794年だったのか,なぜ前の都を移る必要があったのか,といった問題の方がはるかに重要なのは明らかです.その上,こうした問題について史料を丹念に読んでじっくりと考える作業の方が,単純に面白いのです.もちろん,そこには答えのない問題に挑むことの難しさがありますが,色々な説を紹介しつつ解説します.歴史を暗記するのではなく考えること,そしてその面白さを感じ取ること,この二つを目的とします.

授業の概要

日本の古代史を概説し,その歴史的な特質を考えます.特に,8世紀末の長岡遷都から9世紀末までの約100年間を,律令体制的な秩序の拡大と矛盾,対外観や文化的な変化,更には摂関政治に至る政治史の流れを押さえ,平安初期の歴史をたどります.その際には,『日本後紀』や『続日本後紀』など,史料・資料に基づいて説明します.

キーワード

天皇,遷都,藤原氏,国風

受講者へのメッセージ

歴史は考える学問だといった様に,実際に考えながら受講して欲しいと思います.ですから,予習や復習も必要です.

到達目標

1.平安時代初期の政治と社会の歴史をおさえる.そこに深く関わった権力(特に天皇)の役割を理解する.これらを含む当該期の歴史的特質を考える.

授業の計画

1.ガイダンス
2.桓武天皇の即位
3.早良親王の死
4.長岡・平安遷都の理由
5.軍事と造作
6.〝日本型〟華夷秩序と辺境世界
7.平城天皇と伊予親王
8.〝薬子の変〟か〝平城の変〟か
9.虎に喰われた親王,散骨された天皇
10.怨霊跋扈と承和の変
11.〝色好み〟の誕生
12.応天門炎上
13.宮中殺人事件の謎
14.基経の権勢
15.試験
16.総括授業

成績評価の方法

主として学期末試験により評価しますが,出席やコメントなど,平素の授業への取り組みも勘案します.

再試験の有無

教科書

教科書は使用せず,プリント等を配布します.参考書等は適宜紹介するつもりです.

連絡先

衣川(088-656-7153, kinugawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日12時50分∼14時20分