2010年度 総合科学部 人間文化学科 国際文化コース 学部課程 — [選択] 2年(前期)

日本史基礎研究Ⅰ

准教授・衣川 仁

2単位

目的

史料の正確な読解は,歴史を学ぶ上で欠かせない作業であり,特に日本史の分野においてもっとも重視されるのは,古文書の読解である.古文書に書かれた内容について,様式等を踏まえて正確に理解することを目標とし,加えて原史料から得られる古代・中世社会の歴史的特質についても考察する.

概要

配布する古代・中世古文書のコピーを読解する.くずし字の読みと,意味や様式の把握を行う.

キーワード

古文書,史料,くずし字

注意

古文書を読むためには,少なくとも高校レベルの漢文読解力·知識が要求される.各自で復習しておくことが望ましい.

目標

1.古文書の読解;「読み」(字の解読·訓点)と「理解」(意味·様式の把握)

計画

1.古文書を読むために
2.信濃国雑掌申状を読む
3.足利尊氏の花押
4.寄進状・売券と土地
5.御判御教書を読む
6.武士と貴族の下文
7.雑訴決断所牒と裁判
8.軍忠状と着到状
9.祈りの文書
10.官符を読む⑴―引用の中の引用―
11.官符を読む⑵―朝廷の命令系統―
12.請文と起請文
13.関連する文書を読む
14.中世社会と古文書
15.まとめ
16.総括授業

評価

用意する古文書の正確な読解(「文字の読み」と「内容の理解」)ができているかどうか,学期末に行うペーパーテストを中心に評価するが,平素の授業での取り組みも勘案する.

再評価

なし

教科書

なし.こちらでプリントを用意する.

参考書としては,佐藤進一著『[新版]古文書学入門』(法政大学出版局,1997年). その他は,適宜授業内で紹介する.

連絡先

衣川(088-656-7153, kinugawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日12時50分∼14時20分