2010年度 総合科学部 総合理数学科 物質総合コース 学部課程 — [選択] 2年(前期)

地球物質科学

教授・石田 啓祐, 教授・村田 明広

2単位

目的

地層と層序の解析(石田),構造地質学およびテクトニクス(造構学)(村田)の基本を理解することを目的とする.

概要

地層とその重なりや広がりを理解するために必要な基本的事項を中心に学ぶ.地層に記録された,地質時代の固体地球表層から水圏での自然環境に関わるできごとや,生物界の変遷を解析する方法について,層序学的,堆積学的な視点から講義する(石田).また,構造地質学の基本的な事項を扱う.地層や火成岩は,堆積あるいは貫入した後,様々な変形を受け,断層・褶曲などの地質構造を作る.このような構造を記載・分類し,造山帯で起こっている現象を学ぶ(村田).

キーワード

地層,層序,堆積,地質構造,断層,褶曲

目標

1.層序区分の原理である岩相層序と生層序,砕屑粒子の運搬と堆積メカニズム(石田),地球表層部で起こる変形現象(村田)の基本が説明できる.

計画

1.年代層序単元(地質系統)と模式地,岩相層序単元と地層命名規約(石田)
2.古地磁気層序と磁気編年(石田)
3.層序関係:整合と不整合,その種類(石田)
4.岩相変化,鍵層と対比(岩相境界と時間面)(石田)
5.古生物(化石):分類カテゴリーと二名法 (石田)
6.タクサの生存期間(レンジ)と生層序・分帯 (石田)
7.砕屑物の静水中での沈降と流水中での移動 , 波浪限界と堆積物 (石田)
8.堆積物重力流による地層の形成と特徴 (石田)
9.構造地質学とは.整合,不整合,断層,貫入などの地層同士の関係(村田)
10.正断層,逆断層,衝上断層,横ずれ断層などの断層の分類(村田)
11.断層角礫,断層ガウジ,マイロナイト(村田)
12.実際に野外で観察される断層とはどのようなものか(村田)
13.断層と地形の関係(リニアメント,地溝,ナップ,クリッペ),節理と裂か(村田)
14.背斜・向斜などの褶曲と,ヒンジ,褶曲軸,半波長,褶曲波面などの記載(村田)
15.軸面の傾斜,翼間角,形態による褶曲の分類(村田)
16.実際に野外で観察される褶曲はどのようなものか(村田)

評価

講義への取り組み姿勢と,課題のレポート,期末試験を総合的に判断して評価する.

再評価

積極的な取組の見られた学生には再試験やくり返し評価の再評価を行うことがある.

教科書

日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編「層序と年代」共立出版,2006年.(石田);日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編「堆積物と堆積岩」共立出版,2004年.(石田);狩野謙一・村田明広著「構造地質学」朝倉書店,1998年.(村田)

参考資料

Sam BOGGS Jr., Principles of Sedimentology and Stratigraphy (3rd ed.), Prentice Hall, 2001.(石田);狩野謙一・村田明広著「構造地質学CD-ROM」朝倉書店,1999年.(村田)

連絡先

石田(総合科学部3号館2階南2S04, 088-656-7243, ishidak@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時
村田(総合科学部3号館2S03, 088-656-7242, murata@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日12時00分∼13時00分