2010年度 総合科学部 総合理数学科 物質総合コース 学部課程 — [選択] 2年(後期)

無機化学Ⅱ

教授・今井 昭二, 県立広島大学生命環境学部環境科学科 非常勤講師・西本 潤, 高知大学理学部物質科学科 非常勤講師・上田 忠治

2単位

目的

前半は,金属イオンの化学反応を溶媒分子も含めてミクロな視点から,また,平衡論と反応速度論の両面から錯体形成を理解する.後半は,ポリオキソメタレート錯体という物質を通じて,錯体化学,電気化学,分析化学の基礎から応用的な内容に関する知識を深める.

概要

前半は,金属イオンの水和イオン構造を含む溶質-溶媒相互作用と,金属イオンの化学反応に影響を与えている因子について,平衡論と反応速度論の両面から講義する.また環境中での金属イオンの化学反応についても説明する. 後半は,ポリオキソメタレート錯体の構造や電気化学的酸化還元を中心とした化学的性質に関する内容と,それらの性質を利用した応用例について説明する.

キーワード

錯体形成,環境無機化学,ポリオキソメタレート

注意

授業は集中講義ですが,前半と後半の各先生の講義を受講することが必須条件です.担当者今井が,試験を実施します.

目標

1.錯体の形成についての基礎を理解する.
2.環境中水中の錯体形成について理解する.
3.ポリ酸の基礎と応用についての理解する.

計画

1.溶質―溶媒相互作用
2.錯形成反応の平衡論(1) -概論-
3.錯形成反応の平衡論(2) -各論-
4.錯形成反応の速度論(1) -概論-
5.錯形成反応の速度論(2)-各論-
6.環境水中の化学平衡
7.有明海の実例による環境水中の化学平衡
8.試験
9.ポリオキソメタレート錯体とは(1) -構造-
10.ポリオキソメタレート錯体とは(2) -化学的性質-
11.ポリオキソメタレート錯体とは(3) -酸化還元反応-
12.ポリオキソメタレート錯体の応用(1) 分析化学
13.ポリオキソメタレート錯体の応用(2) 触媒化学
14.ポリオキソメタレート錯体に関する研究の最前線
15. 〃
16.試験・総括授業

評価

試験と受講態度を加味して総合的に評価する.

再評価

一定の水準に達している場合に行う.

教科書

資料を適宜,配布する.

参考資料

「ポリ酸の化学」季刊化学総説20,日本化学会編

連絡先

今井(総合科学部3号館2N08, 088-656-7273, imai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前·後期 火10:30-11:40,木曜日 13:30-14:20