自然と技術 / ゼミナール「自然の観察からレポートまで」
Science and Technology / Seminar: How to make a report based on nature observation
平成19年度以前の授業科目:『自然と技術』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『自然と技術 / ゼミナール「自然の観察からレポートまで」』
教授・石田 啓祐
2単位
木(3.4) 全授業のタイプ
講義
授業の目的
自然科学系のレポートがどのようなものであるかを理解し,書くための基本を身につけることを目的とします.データに基づいて,短く論理的な文章をまとめるための工夫や,読者が理解するために必要不可欠な事柄とは何かを考えます.実際の観察に取り組みながら,その大切さを理解し,考察の仕方を深めます.
授業の概要
地球科学的な事象を例にとって,授業を進めます.レポートをまとめるためには,書き方の工夫とともに,まず書くための動機や主題の設定が大切です.観察による事実や実験で得たデータとは何か,それらに基づく考察とは何かを区別し,明示するためにはどうしたらよいかを,発表·討論を交えて考えます.
受講者へのメッセージ
身の回りの自然や物事に興味が持て,感動できることのすばらしさを共有したいと思います.それには努力も必要です.「お客様」としての受講は遠慮下さい,受講する以上,クラスでの役割も果たしてもらいます.自然科学とくに地球科学,地球環境に関心のある意欲的な学生,将来その分野を志す学生を望みます.問題意識を持って,積極的に受講してほしい.ゼミ形式で,週末に博物館等を利用した観察実習などを含みます.時間割に指定した時間に行う授業と,週末を利用した学外(博物館等)での観察実習等とを組み合わせた授業構成になります.合計16回分で,どちらにも出席することが前提です.質問等は,e-メイルでも受け付けます.人数に制約があるので,初回に調整を行うことがあります.
到達目標
1. | 観察に基づいて,事実と意見を整理したレポートのまとめ方が修得できること. |
授業の計画
1. | 自然科学系のレポートとは何か? (文章の役割) |
2. | 動機から主題の選定まで (準備作業の大切さ) |
3. | 文章の組み立て (章立ての工夫) |
4. | 事実と意見 (事実の記載と考察の区別) |
5. | メモの準備 (記録の仕方) |
6. | データを収集しよう 1 (観察の仕方の実習,博物館等学外にも出かけます) |
7. | データを収集しよう 2 (観察の仕方の実習,博物館等学外にも出かけます) |
8. | 観察事項を整理しよう (お互いのものの見方,とらえ方を知ろう) |
9. | データを確かめよう(資料の収集と整理,文献の検索) |
10. | 考察してみよう (お互いのものの見方を確かめ,論理的なとらえ方を考えよう) |
11. | レポートをまとめてみよう 1 (構想を練り,文章にまとめるには?) |
12. | レポートをまとめてみよう 2 (事実と意見の整理) |
13. | はっきり言い切る姿勢 (何をどこまで表現できるか?) |
14. | レポートを発表しよう/発表を聴こう 1 (発表と意見交換) |
15. | レポートを発表しよう/発表を聴こう 2 (発表と意見交換) |
16. | 総括授業 |
成績評価の方法
課題レポート(50%)と毎回の授業での積極的な取り組み態度(集中力,持続力,観察力,考察力,質疑·応答·発表によるゼミ参加者·クラスへの貢献等50%)により,総合的に評価します.
再試験の有無
行わない.
教科書
【教科書】木下是雄著,「理科系の作文技術」,中公新書624,ISBN-12-100624-0,700円
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時
備考
学外での観察実習の交通費や博物館の入館料等は自費となります.