歴史と文化 / 日本古代文学Ⅱ
History and Culture / Ancient Japanese Literature 2
平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 日本古代文学Ⅱ』
准教授・堤 和博
2単位
木(11.12) 夜間主(全)授業のタイプ
講義
授業の目的
これからの人生を送っていくなかで,種々多様な文学作品に接することは,色々な面において有意義なものとなるはずである.しかし,日本古典文学を読むとすると,言葉が現代語と違うのは勿論のこと,何かと取り付きにくいものである.そこで,日本古典文学史上の主要な作品群である平安時代の和歌を取り上げ,古典文学作品読解の基本を身につけることを目的とする.以上のことに加え,文章力を養うことも目的とする.
授業の概要
文学作品の読解とは表面上の意味を読み取る(古典で言えば単に現代語訳する)だけではすまされないのは勿論である.作品の成立した過程やその時代の状況,あるいは登場人物の人物像などを考慮に入れながら,作者が真に訴えたかったことを慎重に読み取っていかなくてはならない.つまり,和歌に限らず文学作品はそれが生み出された時代の文化や政治などと不可分なのである.平安時代について言うと,平安時代初期,日本は中国文化の影響を強く受け,その後政治体制の変化などに伴って国風文化といわれるものが花開く.また,その政治史的には摂関制,院政,武家政権と移っていく.そんな時代背景のもと,平安時代の和歌史がどう展開していったかを跡づけることを目的とするが,政治史との関わりに特に重点をおく.平安時代には『古今集』をはじめとして勅撰和歌集がいくつか編まれた.授業は勅撰和歌集が編まれた頃を焦点に時代区分して進めていく.
キーワード
勅撰和歌集,日本古典文学,日本古代史
受講者へのメッセージ
特に歴史に関する事柄は欠かさず聴講しないと理解しにくいので,やむを得ず欠席した場合は,個別に質問に来ること.なお,数度以上無断で欠席した者は,受講の意志を無くしたものとみなす.
到達目標
1. | 平安時代のそれぞれの和歌が詠まれた頃の時代や作者の状況を把握した上でその和歌を読解する過程及び結果が理解できる. |
2. | 1で理解した内容をわかりやすく文章化できる. |
授業の計画
1. | 全体的な説明 |
2. | 『古今和歌集』成立迄 その1―詠み人知らずの歌― |
3. | 『古今和歌集』成立迄 その2―六歌仙の歌― |
4. | 『古今和歌集』時代 その1 ―紀貫之等の歌― |
5. | 『古今和歌集』時代 その2―伊勢等の歌― |
6. | 『古今和歌集』時代 その3―その他有力歌人の歌― |
7. | 『後撰和歌集』時代 その1―摂関家の歌― |
8. | 『後撰和歌集』時代 その2―専門歌人等の歌― |
9. | 『後撰和歌集』時代 その3―歌物語的な歌― |
10. | 『拾遺和歌集』時代 その1―藤原公任等の歌― |
11. | 『拾遺和歌集』時代 その2―花山院等の歌― |
12. | 『拾遺和歌集』時代 その3―和泉式部等の歌― |
13. | 勅撰和歌集空白の時代 その1―能因等の歌― |
14. | 勅撰和歌集空白の時代 その2―相模等の歌― |
15. | レポート作成,または,テスト |
16. | 総括授業 |
成績評価の方法
数度の小レポートと期末試験(記述式)の合計点に欠席状況(注)を加味する. 注·授業には出席するのが当然なので,出席しても加点しないが,欠席すると減点する.
再試験の有無
無
教科書
無し
参考書
授業中に適宜配布,提示する.