人間と生命 / バイオテクノロジーと生命倫理
Humanity and Life / Biotechnology and Bioethics
平成19年度以前の授業科目:『人間と生命』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人間と生命 / バイオテクノロジーと生命倫理』
教授・辻 明彦
2単位
金(1.2) 全授業の目的
遺伝子診断,ES細胞,オーダメイド医療,遺伝子組み換え農作物,バイオ燃料等バイオテクノロジーに関するキーワードが新聞や雑誌に氾濫する時代となったが,これらの技術は,半導体やコンピューター技術と異なり,生命倫理と深い関わりがあるため,新しい技術が直ちに社会に受け入れられるとは限らない.個人の遺伝子情報の流出は健康保険や社会での差別に繋がる可能性がある.地球温暖化防止のためのバイオ燃料普及によって,小麦,大豆作付面積が減少し,その価格が上昇し,発展途上国ではさらに飢餓の危険性が高まっている.この講義では,バイオテクノロジーを多面的に考え,正当に評価判断できる素養を身につけることを目的とする.
授業の概要
最初にバイオテクノロジーに関する先端技術について紹介したのち,遺伝子・細胞に関する基礎知識と技術の原理と応用について解説する.後半部では,バイオテクノロジーに対する批判とその問題点,法律によるバイオテクノロジーの安全対策,今後のバイオテクノロジーの方向性について解説する.
キーワード
遺伝子工学,幹細胞,GE作物,バイオディーゼル,食糧危機,再生医学
受講者へのメッセージ
高校で生物学を履修していない学生も理解できるよう平易に解説しますので,バイオテクノロジーに関する広い視野を持ってくださることを期待しています.
到達目標
1. | 多面的にバイオテノロジーを考える能力を身につける. |
授業の計画
1. | シラバスの説明,医療に関するバイオテクノロジーの進歩 |
2. | 工学,農学に関するバイオテクノロジーの進歩 |
3. | セントラルドグマ(遺伝子から蛋白質へ) |
4. | 遺伝子の構造と機能 |
5. | 遺伝子工学の基礎(ベクター) |
6. | 遺伝子を増幅するPCR法の原理 |
7. | 遺伝子解析方法 |
8. | 遺伝子組み替え細胞,生物の作成(動物と植物) |
9. | 遺伝病と遺伝子診断 |
10. | 出生前診断と着床前診断 |
11. | 再生医療とバイオテクノロジー |
12. | 胚性幹細胞 |
13. | 組み替え農作物の有用性と危険性 |
14. | 法律によるバイオテクノロジーの規制 |
15. | 期末試験 |
16. | 授業総括 |
成績評価の方法
課題レポート(40%),期末試験(60%)で評価する.それぞれ60%以上の達成度で合格とする(課題レポート24点以上,期末試験36点以上,合計60点以上).出席日数が不足した場合,期末試験は受験できません.
再試験の有無
行いません.
教科書
授業中にプリントを配布します.
参考書
中込弥男著 絵でわかるゲノム・遺伝子・DNA 講談社サイエンティフィク
図書館にある分子生物学,遺伝学,遺伝子工学などに関する図書
WEBページ
連絡先
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