2010年度 歯学部 口腔保健学科 学部課程 — [選択] 2年(前期, 後期)

相談援助の理論と方法

教授・羽田 勝, 助教・竹内 祐子, 非常勤講師・山下 夏樹, 非常勤講師・藤河 一夫

8単位

形態

講義

一般目標

社会福祉を推進するために必要な相談援助(ソーシャルワーク)の理論と方法について理解する.さらに,さまざまな事例研究・分析を通してケースマネジメントによる相談援助方法を修得する.

授業概要

社会福祉推進のための相談援助(ソーシャルワーク)の意義・形態・方法を明確にし,ソーシャルワーク実践のために必要な知識と方法論を教授する.また,相談援助活動における展開過程の事例研究・分析を通してケースマネジメントの手法を学ぶとともに実践に必要な知識や技術を教授する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントを適宜用いる)

授業場所

(2年次前期)火曜4,5時限,(2年次後期)火曜4,5時限,水曜2,3時限,金曜2,3時限 第6講義室

行動目標 (到達目標)

1.相談援助の基礎的な概念を理解する.
2.相談援助の構造と機能について理解する.
3.人と環境の交互作用について理解する.
4.相談援助における援助関係について理解する.
5.相談援助の展開過程Ⅰ(受理面接から計画実施まで)について説明できる.
6.相談援助の展開過程Ⅱ(モニタリングからサービス開発まで)について説明できる.
7.相談援助のためのアウトリーチの技術について説明できる.
8.相談援助のための契約の技術について説明できる.
9.相談援助のためのアセスメントの技術について説明できる.
10.相談援助のための介入の技術について説明できる.
11.相談援助のための経過観察(モニタリング),再アセスメント,効果判定,評価の技術について説明できる.
12.相談援助のための面接の技術について説明できる.
13.相談援助のための記録の技術について説明できる.
14.相談援助のための交渉の技術について説明できる.
15.相談援助のための対象の理解について説明できる.
16.ケースマネジメント(ケアマネジメント)について理解する.
17.グループを活用した相談援助について理解する.
18.コーディネーションとネットワーキングについて説明できる.
19.相談援助における社会資源の活用・調整・開発について説明できる.
20.さまざまな実践モデルとアプローチⅠ(治療・生活・ストレングスモデル)について説明できる.
21.さまざまな実践モデルとアプローチⅡ(心理社会的・機能的アプローチ)について説明できる.
22.さまざまな実践モデルとアプローチⅢ(エンパワメント・ナラティブアプローチ)について説明できる.
23.スーパービジョンとコンサルテーションの技術について説明できる.
24.ケースカンファレンスの技術とその実際について説明できる.
25.相談援助における個人情報の保護について説明できる.
26.相談援助における情報通信技術(ICT)の活用について説明できる.
27.事例研究・事例分析の目的と意義について説明できる.
28.実際の相談援助の事例について理解する.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.相談援助とはソーシャルワーカーの具体的な事例
ソーシャルワークとは
羽田1
2. 〃仕事からとらえたソーシャルワークの定義と枠組み
ソーシャルワークの定義と役割
竹内
3. 〃ソーシャルワークを構成する要素
ソーシャルワークの構成要素
山下
4. 〃ソーシャルワークの職場
ソーシャルワークの仕事の分類
5. 〃ソーシャルワーカーが所属する組織
地域と施設のソーシャルワーカー
6.相談援助の構造と機能ソーシャルワークの構造
人と環境の関係
人についての見方
社会資源についての見方
2
7. 〃ソーシャルワークにおけるニーズ
ソーシャルワークがとらえるニーズとは
社会生活ニーズ
サービス・ニーズ
8. 〃ソーシャルワークの機能
ソーシャルワークの課程からとらえた機能
ソーシャルワークの枠組みからとらえる機能
ソーシャルワーク機能から導き出されるソーシャルワーカーの役割
9.人と環境の交互作用実践における人と環境,人にとっての環境の意味,人と環境の全体性
人と環境の交互作用からの視点
3
10. 〃システムの作動とサイバネティックス,システム理論による一つのソーシャルワーク論
システム理論からの視点
11.相談援助における援助関係援助関係の意義
ソーシャルワークと社会福利の3次元
援助関係の期間と質との交互作用
4
12. 〃援助関係の形成プロセスに影響する要因
ソーシャルワーカーが準ずる原則
ソーシャルワーカーの技法
13. 〃援助構造と援助関係
援助構造
14. 〃援助関係の質と自己覚知
関係とは
権威的ソーシャルワーカー
15. 〃 〃
均等性と公平性
信頼関係(ラポール)
ソーシャルワーカーに求められる自己覚知
16. 〃援助関係とミクロからマクロ実践領域
援助関係を形成することの効用と限界
生活保護での援助関係
家庭療法での援助関係
グループや地域での援助関係
17.相談援助の展開過程Ⅰ相談援助の展開過程の流れ
相談援助の展開過程
相談援助の展開過程の目的と対象
相談援助のプロセス
相談援助の構造
5
18. 〃ケース発見
ケース発見
相談の動機付けによる分類
電話での相談
19. 〃 〃
ソーシャルワーカーが発見する場合
一般的な留意点
20. 〃受理面接(インテーク)
インテーク段階の内容
二つの不安
ラポールの形成,傾聴,個別化
21. 〃 〃
かかわり技法
スクリーニング
緊急度の検討
22. 〃問題把握からニーズ確定まで
相談援助のプロセスについて
主訴とニーズ
問題把握
ニーズ確定
23. 〃ニーズ確定から事前評価(アセスメント)まで
アセスメントのための情報収集
24. 〃事前評価(アセスメント)から支援標的・目標設定まで
アセスメント結果
支援標的・目標設定の設定
25. 〃支援標的・目標設定の設定から支援の計画(プランニング)まで
援助計画
介護プラン(ケアプラン)
26. 〃支援の計画(プランニング)から支援の実施まで
ソーシャルワーカーの援助計画
ソーシャルワーカーが所属している機関の援助計画
介護保険法によるケアプランとソーシャルワーク援助計画
27.相談援助の展開過程Ⅱ経過観察(モニタリング)
モニタリングの目的
モニタリングの対象
6
28. 〃 〃
モニタリングの方法
モニタリングの内容
29. 〃再アセスメントと支援の強化
再アセスメントの考え方
再アセスメントの方法
支援目標の再設定
支援内容の見直しと強化
30. 〃支援の終結と効果測定,評価,アフターケア
支援の終結
効果測定と評価
アフターケア
31. 〃予防的対応とサービス開発
個別援助から地域支援へ
予防的対応とサービス開発の意義
地域におけるニーズ
ニーズの集約
32. 〃 〃
サービス開発・事業企画
予防的対応
ネットワークと連携
ソーシャルアクション
33.相談援助のためのアウトリーチの技術アウトリーチの意義と目的
アウトリーチの必然性
アウトリーチとは
アウトリーチを必要とする対象
アウトリーチの担う機能
7
34. 〃アウトリーチの方法と留意点
援助課程とアウトリーチの具体的方法
アウトリーチを行うための留意点
35.相談援助のための契約の技術契約の意義と目的
社会福祉援助課程における契約
ソーシャルワーク援助課程における契約の意義
8
36. 〃契約の方法と留意点
アセスメント段階までの共有
目標設定の合意
目標設定に達する方法・手段の合意
37. 〃 〃
目標設定に関する評価についての留意点
文書による契約と口頭での契約
契約へのバリア
38.相談援助のためのアセスメント技術ソーシャルワークにおけるアセスメントの特性,援助関係,面接
アセスメントの特性
アセスメント面接を支える援助的関係
専門職として面接で用いる言語反応
9
39. 〃アセスメントで得るべき情報16項目と視覚化できるアセスメントツール
アセスメントの際の留意点と16項目の情報
40. 〃アセスメント面接で得た情報の使い方
情報の組織化とは
アセスメント力を高めるために必要なこと
41.相談援助のための介入の技術介入の意義と目的
介入の意義
介入のターゲット
10
42. 〃介入の方法と留意点
介入の方法
直接的介入と間接的介入
43. 〃 〃
介入の戦略
介入の技術
介入の方法
介入の留意点
計画されたソーシャルアクションとしての実践介入
44.相談援助のための経過観察(モニタリング),再アセスメント,効果測定,評価の技術経過観察(モニタリング)
相談援助のプロセスとモニタリング・再アセスメント・効果測定・評価
ソーシャルワークの重要な特性としての「マネジメント」
モニタリングの手続き
モニタリングの手続きの詳細
11
45. 〃再アセスメント
再アセスメントの手順と援助の方向
具体的な再アセスメントの手続きの例
46. 〃効果測定
有効性の検証としての効果測定
47. 〃評価とサービス開発
プロセス評価とアウトカム評価
開発の必要性
48.相談援助のための面接の技術相談援助における面接の目的
面接の目的
面接の特性
12
49. 〃相談援助における面接の展開
相談援助における面接の基本姿勢
面接においてワーカーが行うこと
面接の展開
50. 〃面接において用いる技術コミュニケーション
面接において用いる技術
面接におけるコミュニケーション
51. 〃相談援助における面接の形態
面接の構造
生活場面面接
52.相談援助のための記録の技術記録の意義とその活用目的
記録の意義
記録の活用目的
13
53. 〃記録の種類と活用
記録の種類
記録の活用目的と種類との関係
54. 〃記録の方法とIT化
記録の方法
ソーシャルワーク記録のIT化
記録と倫理
55. 〃記録の技術の実際例と今後の課題
スーパービジョンやコンサルテーションの記録
ケースカンファレンスに提出する記録
今後の課題
56.相談援助のための交渉の技術交渉の意義と目的
交渉の意義とエンパワメントの原則
交渉のためのエンパワメントの原則
14
57. 〃交渉の方法と留意点
コミュニケーション技術
チームワーク技術
エンパワメント技術
58. 〃プレゼンテーションの技術
プレゼンテーションの内容と方法
59-60.まとめ
相談援助理論と方法Ⅰのまとめ
61.相談援助における対象の理解社会福祉園児活動の概念と定義
制度としての社会福祉と実践としての社会福祉援助活動の相補性
国際ソーシャルワーカー連盟のソーシャルワークの定義(2000年)
藤河15
62. 〃相談援助の対象をどうとらえるか
相談援助の対象理解
システム理論による全体的,包括的な対象理解
個人をどうとらえるか
63. 〃 〃
家族をどうとらえるか
集団(グループ)をどうとらえるか
ちいきをどうとらえるか
64.ケースマネジメント(ケアマネジメント)ケースマネジメントの基本
ケースマネジメントの目的
ケースマネジメントの構成要素
16
65. 〃ケースマネジメントの課程
ケースマネジメントの課程
66. 〃ケースマネジメントにおけるアセスメントの特徴
アセスメントの意味と目的
アセスメントの方法
集めた情報からの生活課題のとらえ方
アセスメントでの原則
67. 〃ケアプランの作成・実施の特徴
ケアプランの意義
ケアプランの作成
ケアプランの実施
68. 〃ケースマネジメントの特徴
ケースマネジメントの特徴
69. 〃ケースマネジメントとソーシャルワークの関係
ケースマネジメントとソーシャルワークの関係
70.グループを活用した相談援助グループを活用した相談援助
人間にとって集団が意味するもの
グループワークの意義
地グループワークの展開過程
17
71. 〃自助グループを活用した相談援助
自助グループとは
サポートグループ
自助グループ結成への援助
自助グループとの連携
72.コーディネーションとネットワーキングコーディネーションの目的と意義
対人援助におけるコーディネーションとは
社会福祉におけるコーディネーションの背景と意義
18
73. 〃コーディネーションの方法・技術・留意点
コーディネーションの方法と技術
コーディネーションの弊害と留意点
専門職と住民との連携の特徴と留意点
74. 〃ネットワーキングの目的と意義
ネットワーキングとは
ネットワーキングが求められる背景
75. 〃ネットワーキングの方法
ソーシャル・サポート・ネットワークの意義と概念
ソーシャル・サポート・ネットワークの方法
ソーシャル・サポート・ネットワークの日本的展開
76. 〃社会福祉を推進するための総合的なネットワークの形成とシステム化
住民と専門職の協働の場づくり
ネットワーキングと地域福祉のシステム化
地域ケアシステムの機能とケース発見機能
77.相談援助における社会資源の活用・調整・開発社会資源の活用・調整・開発の意義と目的
社会資源
社会資源活用の意義と目的
19
78. 〃社会資源の活用・調整・開発の方法と留意点
ソーシャルワーク実践と社会資源
社会資源の開発
79. 〃ソーシャルアクションによるシステムづくり
ソーシャルアクションとは
ソーシャルアクションとアドボカシー
ソーシャルアクションの発展過程
80.さまざまな実践モデルとアプローチⅠ実践モデルとその意味
ソーシャルワークの実践理論
モデル,アプローチの文化・多様化
モデル,アプローチの峻別理論
20
81. 〃治療モデル,生活モデル,ストレングスモデル
三つの実践モデル
治療モデル
生活モデル
ストレングスモデル
82. 〃ジェネラリスト・ソーシャルワークの展開と実践モデル
実践モデル相互の関係
ジェネラリスト・ソーシャルワークの展開過程と実践モデル
事例考察による実践モデル
83.さまざまな実践モデルとアプローチⅡ心理社会的アプローチ
起源と基盤理論
心理社会的アプローチを理解するためのキーワード
適用対象・適用課題
21
84. 〃 〃
支援焦点
支援展開
心理社会的アプローチに関する基本文献
85. 〃機能的アプローチ
起源と基盤理論
機能的アプローチを理解するためのキーワード
適用対象・適用課題
86. 〃 〃
支援焦点
支援展開
機能的アプローチに関する基本文献
87. 〃問題解決アプローチ
起源と基盤理論
問題解決アプローチを理解するキーワード
適用対象・適用課題
88. 〃 〃
支援焦点
支援展開
問題解決アプローチに関する基本文献
89. 〃課題中心アプローチ
起源と基盤理論
課題中心アプローチを理解するキーワード
適用対象・適用課題
90-91. 〃 〃
支援焦点
支援展開
課題中心アプローチに関する基本文献
92. 〃危機介入アプローチ
起源と基盤理論
危機介入アプローチを理解するキーワード
適用対象・適用課題
93. 〃 〃
支援焦点
支援展開
危機介入アプローチに関する基本文献
94. 〃行動変容アプローチ
起源と基盤理論
行動変容アプローチを理解するキーワード
適用対象・適用課題
95. 〃 〃
支援焦点
支援展開
行動変容アプローチに関する基本文献
96.さまざまな実践モデルとアプローチⅢエンパワメントアプローチ
起源と基盤理論
エンパワメントアプローチを理解するためのキーワード
適用対象・適用課題
22
97. 〃 〃
支援焦点
支援展開
エンパワメントアプローチに関する基本文献
98. 〃ナラティブアプローチ
起源と基盤理論
ナラティブアプローチを理解するためのキーワード
適用対象・適用課題
99. 〃 〃
支援焦点
支援展開
ナラティブアプローチに関する基本文献
100. 〃その他の実践アプローチ
実存主義アプローチ
フェミニストアプローチ
解決志向アプローチ
101. 〃実践アプローチをめぐる課題
実践的側面
教育的側面
研究的側面
102.スーパービジョンとコンサルテーションの技術スーパービジョンの意義と目的
スーパービジョンとは
スーパービジョンの歴史的変遷
スーパービジョンの必要性と機能
23
103. 〃スーパービジョンの方法と留意点
スーパービジョンと形態
スーパービジョンの関係形成の重要性
104. 〃コンサルテーション
コンサルテーションの意義
コンサルテーションとは
ワーカーとコンサルタントの関係
105. 〃 〃
コンサルテーションの形態
スーパービジョンとコンサルテーション
106.ケースカンファレンスの技術ケースカンファレンスの意義と目的
ケースカンファレンスの意義
ケースカンファレンスの目的
24
107. 〃ケースカンファレンスの運営と展開過程
ケースカンファレンスの構成員と役割
展開過程
108. 〃ケースカンファレンスの実際
ケースカンファレンスの課程
109. 〃ケースカンファレンスの評価と普遍化
ケースカンファレンスの評価項目
ケースカンファレンスの普遍化
110.相談援助における個人情報の保護
相談援助と個人情報保護
個人情報とは
個人情報保護の考え方
25
111. 〃
個人情報保護制度の展開
個人情報保護の制度
相談援助における個人情報保護の課題
112.相談援助における情報通信技術(ICT)の活用
情報通信技術(ICT)と福祉情報
相談援助における情報通信技術(ICT)の活用
相談援助における情報通信技術(ICT)活用の留意点
26
113.事例研究・事例分析事例研究の目的と意義
事例研究(ケーススタディ)とは
事例研究の目的
事例研究の意義
27
114. 〃事例研究の方法と留意点
研究の目的とデザイン
事例研究の方法
事例研究を行う際の留意点
115. 〃事例分析の目的と意義
事例分析とは
事例分析の目的
事例分析の意義
116. 〃事例分析の方法と留意点
事例の選定と分析の準備
事例分析の着目点
発表・報告
事例分析を行う際の留意点
117-119.相談援助の実際
事例
28
120.まとめ
相談援助理論と方法Ⅱのまとめ

成績評価の方法

2年次前期の講義終了時点で中間試験を行い,さらに全講義終了後,筆記試験を行って合否判定を行う.評価は100点満点で60点以上を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

新・社会福祉士養成講座 第7巻 相談援助の理論と方法Ⅰ 中央法規出版

新・社会福祉士養成講座 第8巻 相談援助の理論と方法Ⅱ 中央法規出版

参考資料

MINERVA社会福祉士養成テキストブック 第3巻 ソーシャルワークの理論と方法Ⅰ ミネルヴァ書房

MINERVA社会福祉士養成テキストブック 第4巻 ソーシャルワークの理論と方法Ⅱ ミネルヴァ書房

連絡先

羽田(0886622684, hada@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
竹内(yu-take@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
山下(連絡先未登録)
藤河(連絡先未登録)