2011年度 工学部 電気電子工学科 夜間主コース — [選択] 2年(後期)

過渡現象

Transient Analysis

准教授・大屋 英稔

2単位

目的

過渡状態に関連した諸概念,特に線形回路の動的性質について理解させる.

概要

線形回路の状態は,スイッチの開閉後過渡的に変化する状態と十分時間が経過した後の定常状態の和で表現できる.ここでは前者を解析し,回路の諸特性を明らかにする.まず素子の性質と回路の接続状況から回路方程式をたてる方法について述べる.つぎにその回路方程式を解く方法として,直接的な方法とラプラス変換を用いた方法を紹介する.また保存則や状態の拘束を含む場合の回路の解析方法についても講述する.

キーワード

回路解析,過渡状態,状態方程式,ラプラス変換

要件

電気回路1,電気回路2の履修を前提として講義を行う.

注意

授業時間中に随時演習·レポート等を行うので,前回までの講義内容を十分復習した上で出席すること.ノートをきちんととること.

目標

1.素子の性質と回路の接続状況から回路方程式をたてることができる.保存則や状態の拘束を含む場合も取り扱うことができる.
2.直接的な方法とラプラス変換を用いた方法により,回路方程式を解くことができる.保存則が成立する場合や強制退化が起こる場合も取り扱うことができる.

計画

1.基本回路素子の性質(R,L,C,電源)
2.回路素子の接続(キルヒホフの法則)
3.RL回路,RC回路の回路方程式
4.RLC回路の回路方程式
5.保存則と状態の拘束
6.線形非同次常微分方程式の解法
7.前半試験
8.RL回路の解析
9.RC回路の解析
10.RLC回路の解析(直流電圧源を印加する場合)
11.RLC回路の解析(交流電圧源を印加する場合)
12.保存則を持つ回路の解析
13.強制退化の起こる回路の解析
14.ラプラス変換
15.ラプラス変換を用いた回路解析
16.後半試験

評価

試験80%(前半試験30%, 後半試験50%) 平常点20%(小テスト・宿題等)で評価し,全体で60%以上を合格とする.

教科書

小林邦博·川上博 共著「電気回路の過渡現象」産業図書

参考資料

川上博 著「回路3講義補充ノート ―状態でみる回路のふるまい―」

連絡先

大屋(E棟(C-7), +81-88-656-7467, hide-o@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.