技術者の倫理
Engineering Ethics for Engineers
教授・村上 理一
2単位
目的
技術者は個人のレベルにおいて技術に関する知識,能力の向上がもとめられる.これは産業の高度化や社会の成熟化に伴い,社会が求める技術の高度化と密接に関係する.また,社会そのものは多様化·個性化しており,それに対応できる技術者は技術を使う判断基準としての倫理観に裏打ちされた行動規範を持たねばならない.
概要
工学倫理を必要とする社会の変遷を説明し,自立した技術者となるために必要な倫理観の確立を促しながら,公衆を尊重するために必要な技術者の倫理問題を講述する.工学的失敗の背景と特徴,それを回避するためのリスクマネージメントなどを具体的な事例を挙げながら説明し,クラス討論や事例研究を通じて技術者の倫理の必要性を考えさせる.また,リスク回避のための社会的規制であるPL法を説明し,事故事例をケーススタディする.
キーワード
技術者,企業倫理,失敗と成功,生命倫理法制,生命倫理
先行科目
関連科目
要件
技術者として自立する自覚を持つこと.
注意
必要に応じてコンピュータの検索を使って事例研究を行うので,コンピューターの扱いに習熟していること.
目標
1. | 社会の求める工学倫理観の理解. |
2. | リスクマネージメントの理解. |
3. | グループ討論の方法の習得 |
計画
1. | 近代社会の特徴 |
2. | 自己の確立と人権問題 |
3. | 技術者倫理の学習の目的 |
4. | 工学倫理の事例研究(1) |
5. | 事例研究(1)とグループ討論·レポート |
6. | 専門家と公衆の関係 |
7. | 法と倫理 |
8. | 技術者の説明責任 |
9. | 安全とリスク |
10. | 技術と失敗 |
11. | 製造物責任法 |
12. | 事例研究(2) |
13. | 事例研究(2)とグループ討論·レポート |
14. | リスク管理 |
15. | 定期試験 |
16. | 予備日 |
評価
到達目標の3項目が達成されているかをグループ討論の内容·方法,レポートおよび試験を総合して判定する.3項目平均して60%以上であれば合格とする.
対象学生
開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能
教科書
''科学技術と倫理'' ナカニシ出版
参考資料
講義中に紹介する.
連絡先
村上(M318, 088-656-7392, murakami@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 毎週金曜日18:00∼19:00
備考
1. | 講義への取組み姿勢は重要な用件であり,遅刻しないことも要求される. |
2. | 授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である. |