基礎固体物性論
Solid State Physics (1)
講師・中村 浩一
2単位
目的
電子機器中の半導体素子をはじめ,あらゆる分野で用いられる機能材料は日新月歩で開発されている.こうした材料に対する微視的な見方を身につけることを目的として,固体の物性について初歩的解説を行う.
概要
固体における原子の幾何学的配列としての結晶格子を説明し,あわせて結晶格子の不完全性が固体の性質に及ぼす変化とその重要性を解説する.結晶を構成する原子間にどのような力が作用し,どのような性質の結晶ができるのかを学び,また,その原子の振動すなわち格子振動が結晶の熱的性質にどのように関わるのかについて説明する.自由電子論の基礎を概観し,磁性,超伝導,誘電体などの固体物性の基礎を講義する.
先行科目
基礎数学 / 微分積分学I
関連科目
要件
微分,積分の基礎的な事柄を履修しておくこと.
注意
授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.講義内容の理解の手助けとなる演習問題が出題されるので,復習しながら,着実に解いてみることが必要である.
目標
1. | 結晶構造を理解する上での基本的な事柄を理解する.(計画1∼4) |
2. | 身の回りにある材料とその固体物性の基礎を理解する.(計画5∼15) |
計画
1. | 結晶の基礎 |
2. | X線の回折と結晶 |
3. | 代表的な物質の結晶構造 |
4. | 固体の結合 |
5. | 格子振動1 |
6. | 格子振動2 |
7. | 比熱理論 |
8. | 演習 |
9. | 自由電子論 |
10. | バンド理論 |
11. | 電気伝導 |
12. | ホール効果 |
13. | 誘電体 |
14. | 磁性 |
15. | 演習 |
16. | 期末試験 |
評価
試験70%(期末試験),平常点30%(授業への取り組み,演習等)として評価し,全体で60%以上で合格とする.
JABEE関連
(C)[主目標]工学基礎70%,(D)専門基礎30%
対象学生
開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能
教科書
岡崎誠「固体物理学」裳華房
参考資料
宇野良清他共訳「固体物理学入門(上,下)」丸善
連絡先
大野(A棟201, 088-656-7549, )