酵素化学
Enzyme Chemistry
教授・中村 嘉利
2単位
目的
生体内で行われる化学反応は酵素という蛋白質の触媒分子によって制御されている.すなわち酵素は生命活動を司る蛋白質であると言える.さらに酵素は機能性蛋白質として医学,食品,化学分野のバイオテクノロジーにおいても活用されている.この講義では,生物工学に必要な酵素学的基礎と酵素の応用例について理解させる.
概要
酵素の発見とその後の研究の歴史,酵素の種類と分類,酵素化学的特徴,補酵素の役割,反応機構などについて基本的な知見を講義し,酵素の産業利用の実例を紹介する.
キーワード
酵素,触媒,酵素利用
関連科目
要件
生化学1,2を履修しておくこと.
注意
予習,復習をするように努めること.講義で理解しにくい点は,教科書や参考書等で学習するとともに直接質問すること.
目標
1. | 触媒分子としての酵素蛋白の特性を理解する(授業計画1-8による) |
2. | 酵素の産業利用について理解する(授業計画9-13による) |
計画
1. | 酵素の分類と命名法, 酵素活性の定義と測定法 |
2. | 酵素の触媒活性に影響する因子, ビタミン, 補酵素の構造と機能 |
3. | 演習Ⅰ |
4. | 酵素蛋白質の構造(ドメイン構造, サブユニット構造) |
5. | 酵素の取り扱い |
6. | 中間試験 |
7. | 酵素反応速度論Ⅰ:Michaelis-Mentenの式とKm, Vの算出 |
8. | 酵素反応速度論Ⅱ: 拮抗阻害, 非拮抗阻害 |
9. | 演習Ⅱ |
10. | 酵素の産業利用(1) |
11. | 酵素の産業利用(2) |
12. | 酵素の産業利用(3) |
13. | 講義の総まとめ |
14. | 期末試験 |
評価
出席率80%以上で, 到達目標3項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.到達度は中間試験(40%), 期末試験(40%), 演習レポート(20%)で評価する(出席点は加えない).
対象学生
他学科学生も履修可能
教科書
プリント等を配布する
参考資料
「ヴォート生化学(上巻)」東京化学同人
相坂和夫著「酵素サイエンス」幸書房
遠藤克己·三輪一智著「生化学ガイドブック」南江堂
連絡先
中村(機械棟7階, 088-656-7518, ynakamu@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜日17:00-18:00
備考
1. | 授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業理解と単位取得のために必要である. |
2. | 成績評価に対する平常点と試験の比率は50:50とする.平常点には講義への参加状況,演習への回答及びレポートの提出状況と内容を含み,試験は中間テストと最終試験の成績を含む. |