コンクリート基礎技術
Basic Technology of Concrete
准教授・渡邉 健
2単位
目的
安全で耐久性に富むコンクリート構造物を造るために,コンクリートの施工はきわめて重要である.近年,鉄鋼とともに社会基盤の建設材料として重要な構造材料であるコンクリート技術の進歩発展は目ざましいものがあり,品質向上と多様化が進み,新工法が開発されている. 本講義では,良質なコンクリート構造物を造るために,コンクリート材料,フレッシュコンクリートの性質,硬化コンクリートの性質,配合設計方法や施工の要点について講義し,レポート,試験を実施して,コンクリートの基礎技術に必要な基礎知識を修得させる.
概要
前半部では,コンクリート材料,フレッシュコンクリートの性質,硬化コンクリートの性質,コンクリートの配合設計方法などの基本的事項について講義する.後半部では,プラントでのコンクリートの製造方法,建設現場で施工する場合の,計量,練りまぜ,運搬,打込み,締固め,養生に関する基礎技術,さらに,最近の技術の現状として,軽量,水中,流動化,その他各種のコンクリートに関する特性と施工上の要点について講義する.
キーワード
コンクリート材料,フレッシュコンクリート,硬化コンクリート,配合設計,製造,コンクリートの品質管理,コンクリートの施工,各種コンクリート
先行科目
要件
2 年前期開講の「材料入門」,2 年後期開講の「鉄筋コンクリートの力学」を受講しておくことが望ましい.
注意
授業を置ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けるとこが,授業の理解と単位取得のために必要である.レポートは必ず期限内に提出すること.
目標
1. | コンクリート材料,フレッシュコンクリートの性質,硬化コンクリートの性質およびの配合設計方法について理解する. |
2. | 製造方法,品質管理の考え方および施工方法,特殊コンクリートについて理解する. |
計画
1. | ガイダンスおよびコンクリート材料(骨材,セメント)教科書pp.1∼39 |
2. | コンクリート材料(混和材料,その他)教科書pp.39∼54 |
3. | フレッシュコンクリートの性質(よい性質とは):教科書pp.57∼62 |
4. | フレッシュコンクリートの性質(よい性質を得るためには):教科書pp.62∼69 |
5. | 硬化コンクリートの性質(よい性質とは):教科書pp.71∼83 |
6. | 硬化コンクリートの性質(よい性質を得るためには):教科書pp.84∼106:レポート1 <章末問題> |
7. | コンクリートの配合設計方法(基本的考え方) :教科書pp.109∼121 |
8. | コンクリートの配合設計方法(計算方法): レポート2<コンクリート技士試験過去問題から出題> |
9. | 中間試験(到達目標1:第1講∼第8講までの範囲) |
10. | コンクリートの製造:教科書pp.122∼132 |
11. | コンクリートの品質管理と検査:教科書pp.132∼140:レポート3<品質管理図作成> |
12. | コンクリートの施工(概説・運搬・締固め):教科書pp.141∼153 |
13. | コンクリートの施工(鉄筋工・養生・注意を要する施工):教科書pp.154∼180 |
14. | 各種コンクリート:教科書pp.182∼204 |
15. | ダムと舗装•コンクリート製品:教科書pp.206∼222: レポート4<章末問題> |
16. | 期末試験(到達目標2第10講∼第15講までの範囲)および授業評価アンケートの実施 |
評価
到達目標1の達成度を,レポート1とレポート2の割合を1:1として算出される評点により評価し,レポート評価点と中間試験の評価点を1:1として評点を算出し,評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.到達目標2の達成度を,レポート3とレポート4の割合を1:1として算出される評点により評価し,レポート評価点と中間試験の評価点を1:1として評点を算出し,評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.2つの到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と到達目標2の評点の平均値として算出する.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
田澤栄一編者『エースコンクリート工学』朝倉書店
参考資料
岡田·笠井編『コンクリート技士合格必携』技術書院
小林一輔監修『コンクリート実務便覧』オーム社
日本コンクリート工学協会編『コンクリート便覧』技報堂
連絡先
- オフィスアワー: 金曜日14:35∼16:05<昼間コース>,金曜日18:00∼19:30<夜間主コース>
備考
レポートは提出期限を厳守すること.なお,中間試験の日程は, 講義の進度と日程によって変動するので,注意すること.