2011年度 工学部 電気電子工学科 夜間主コース — [選択] 2年(後期)

物性工学

Solid State Physics

准教授・直井 美貴

2単位

目的

物性工学とは,物質の諸性質(電気的·誘電的·磁気的性質)を,物質を構成している原子·分子·電子の振る舞いを基礎として微視的立場から考察するものであり,デバイス材料の製造,電子デバイスの設計,デバイス特性改善の基礎となる学問領域である.本科目では,物質の微視的性質を学修し,また巨視的性質との対応を理解することを目的とする.

概要

トランジスタや集積回路(IC)をはじめとする電子デバイスの動作原理を理解するためには,そのデバイスを構成する物質内の電子等の微視的振る舞いを理解することが不可欠である.この理解があって新デバイスの設計がはじめて可能となる.本講義では,実際のデバイス動作を常に考えながら,物質の誘電的·電気的·磁気的性質についての講義を行う.また,講義内容を理解するための演習を講義中に同時に行う.

キーワード

微視的,導電性,誘電性,光物性,半導体物性

要件

特になし.

注意

特になし.

目標

1.物質中の電子の振る舞いが理解できる.(授業計画1∼15および最終試験)
2.物質の基本的性質を微視的観点から理解できる.(授業計画1∼15および最終試験)

計画

1.物性工学とは, 基本的物理量とその単位·次元(教科書pp.1-12)
2.量子力学の基礎(pp.13-19)
3.電子の波動性(pp.20-28)
4.化学結合(pp.29-35)
5.結晶(pp.36-46)
6.電気伝導の古典論(pp.47-55)
7.固体中のエネルギーバンド(pp.55-60)
8.導体・絶縁体・半導体・超伝導(pp.61-76)
9.誘電性(pp.77-90)
10.絶縁性(pp.91-97)
11.半導体の電気伝導(pp.99-110)
12.半導体中の不純物のはたらき(pp.110-127)
13.種々の半導体デバイス(pp.127-140)
14.内部・外部光電効果とデバイス(pp.141-158)
15.ルミネッセンス(pp.158-175)
16.最終試験

評価

試験80%,平常点20%(レポート,小テスト等)として評価し,全体で60%以上で合格とする.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

志村史夫 著 「したしむ電子物性」 朝倉出版

参考資料

講義中に配布する.

連絡先

直井(E棟2階南 A-4, 088-656-7447, naoi@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜日17:00∼18:00

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.