ロボット工学
Robotics
目的
ロボットは産業界だけでなく,生活の中に広く浸透しつつある.このようなロボットを製作し動作させるために必要な基礎知識の習得を目的とする.このため,ロボットの力学と制御等,考え方に重点を置いた講義を行う.
概要
実用化されているロボットは,本体が土台の上に固定され,関節で接続されたリンクによりハンドが空間中を 自由に動く機構が多い. このような産業用ロボットを中心にして,ロボットの運動学と動力学の基礎,位置と姿勢の計算法や運動方程式の導出,ロボットに特有の制御法について講義する.そのために最初に,生体とロボットの関係について紹介し,ロボット工学に特有の数学的事項と解析力学の基本的事項に重点を置いて述べる.
キーワード
メカトロニクス,解析力学,制御
要件
必須の要件はないが,下記「注意」の科目を履修していることが望ましい.
注意
「材料力学1」,「機械力学」,「機械設計」,「自動制御理論」,「電子回路」,「メカトロニクス工学」を履修していることが望ましい.
目標
1. | 運動の力学の理解 |
2. | ロボット方程式の理解 |
3. | 代表的な制御法の理解 |
計画
1. | 生体の機能とロボット工学について |
2. | フィードバック制御について |
3. | 機械系のフィードバック制御について |
4. | フィードバック制御の実際 |
5. | 運動学と動力学の考え方 |
6. | 座標変換と回転行列について |
7. | 同時変換行列について |
8. | 一般的な運動学の同定手法について |
9. | 解析力学の考え方 |
10. | ロボット運動方程式の導出 |
11. | ロボットマニピュレータの運動学と動力学 |
12. | ロボットダイナミクスのパラメータ同定について |
13. | ロボットマニピュレータの運動制御 |
14. | 応用例の紹介 |
15. | 質問・総括 |
16. | 定期試験 |
評価
理解を促すためにレポートを課す場合もあるが,その提出状況と内容,授業への取組状況,中間試験,最終試験などを総合して判定する. 最終試験以外は平常点に含め,平常点と最終試験の評価比率は4:6 とする.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
川村貞夫著「ロボット制御入門」オーム社
参考資料
中野栄二著「ロボット工学入門」オーム社
J.J.クライグ著三浦宏文·下山勲訳「ロボティックス-機構·力学·制御-」共立出版
則次ほか共著「ロボット工学」(朝倉書店)
有本卓「ロボットの力学と制御」(朝倉書店)
連絡先
備考
授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に,1時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.