2011年度 先端技術科学教育部 知的力学システム工学専攻 機械創造システム工学コース 博士前期課程 — [選択]

材料物性特論

Physical properties of materials

教授・岡田 達也, 准教授・西野 秀郎

2単位

形態

講義

目的

材料の機械的物性を支配する結晶欠陥を,直接観察する手法として最も有効な電子顕微鏡法について概説する.また,材料の弾性的な性質を反映した超音波波動の特徴とそれを用いた計測手法の解説を行う.

概要

結晶性材料の機械的物性をミクロレベルで支配するのは,材料内部の格子欠陥の挙動である.本講義の前半部においては,材料のミクロ欠陥を直接観察する透 過電子顕微鏡法について解説する.特に,電子回折による結晶方位解析を逆格子の概念に基づいて理解することに重点を置く.後半部では,超音波を用いた物性計測のための基礎を示す.3次元結晶異方性を考慮した超音波の波動伝搬論を講義する.波動方程式の解法として,汎用性の高い差分シミュレーションを示す.また最新の超音波計測方法として,ガイド波を用いた方法の基礎を解説する.

キーワード

透過電子顕微鏡法

先行科目

材料工学

注意

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.

目標

1.エバルトの作図について理解し,電子回折パターンの解析を行えるようになる.
2.3次元結晶異方性を有する固体材料中を伝搬する波動方程式とシミュレーションによる解法を理解する.

計画

1.透過電子顕微鏡,結晶学の基礎
2.逆格子と回折
3.電子回折図形の指数付け
4.菊池図形
5.完全結晶の像
6.面欠陥のコントラスト
7.転位のコントラスト
8.波動伝搬の物理概要と超音波による非破壊検査法
9.3次元異方性固体の変位·ひずみ·応力の関係(弾性スティフネス)
10.3次元異方性固体の波動方程式の導出
11.波動方程式の意味
12.波動方程式の差分シミュレーション
13.差分シミュレーションによる境界値問題
14.超音波ガイド波の物理
15.SHモードガイド波の数学
16.期末試験

評価

レポート50%,期末試験50%

参考資料

坂著「結晶電子顕微鏡学」(内田老鶴圃)

連絡先

岡田(M616, t-okada@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
西野(M棟618, 088-656-7357, nishino@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)